セレンディピティに気づく人と気づかない人の差 やたら計画を立てたがる人が好機を逃し易い訳

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あなたが既婚者なら、相手と出会ったのは「偶然」だろうか。新しい仕事や住まいを見つけたのも、未来の共同創業者や出資者と出会ったのも、また「偶然」だろうか。手近にあった雑誌を開いてみたら、抱えていた問題を解決するのに必要な情報が「たまたま」載っていたのだろうか。

大小さまざまなそうした出来事が、あなたの人生をどう変えただろう。すべてが事前の計画どおりにいっていたら、人生の展開はどう変わっていただろうか。

予想外の要因がどう転ぶかによって、戦争の勝敗、企業の盛衰、愛の行方が変わったりする。事業の成功、愛、喜び、信仰など、あなたが人生に求めるものが何であれ、そこには必ず偶然の出会いがある。

スポーツジムで誰かとばったり出会うといったごくありふれた出来事によって人生が変わることもある。

科学的研究という厳格な世界においてさえ、予想外は(ほぼ)つねに起きている。重大な科学的発見の30〜50%程度は、ある薬品がこぼれて別の薬品と混ざるといった、意図せざる偶然の結果生まれていることが研究によって示されている。

では成功は「運だけで」決まるのか。成功するか失敗するかは、私たち自身の行動とは無関係な偶然の産物なのか。

「fortune」という言葉が意味するもの

それも違うことを、私たちは直感的にわかっている。人生において重要な転機や人生を変えるようなチャンスは偶然訪れるように見えるが、他の人よりもそれが頻繁に巡ってくる人、そして結果的により多くの成功や喜びをつかむ人というのはたしかにいる。

これは今に始まったことではない。英語の「fortune」という言葉には、幸運と成功の両方の意味が含まれている。

「運は自ら切り拓くもの」「機を見るに敏」といった慣用句も、人生における成功を左右するのは純粋な運と努力の相互作用、すなわち両者の「シンセシス(統合)」である、という考えを映している。

これはどういうことだろう。好ましい偶然が他の人よりも頻繁に起こるように、それにふさわしい状況を自ら生み出せる人がいるのだろうか。そうした瞬間を発見し、つかみ、好ましい成果につなげる能力が高いのだろうか。

今の教育制度や働き方、生き方は、人生において最も重要なスキル、すなわち予想外の事態に対処し、「スマートラック(賢くたぐり寄せた幸運)」を生み出すのに役立つのだろうか。

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