今こそ「失敗」の概念を「創造的に」変えるとき なぜスペースXは爆発映像を流し続けたのか
日本の失敗研究の名著から考える
『失敗の殿堂』を監訳する機会を得た。失敗はイノベーション、発明、新規事業開発、どのような場面でもいわば永遠のテーマだが、どうも今の日本は、その失敗の意味や概念を変える必要があると思ったのがきっかけだった。
日本のビジネスパーソンにとって著名な失敗に関する本では、野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)らの『失敗の本質――日本軍の組織論的研究』や畑村洋太郎氏(東京大学名誉教授)の『失敗学のすすめ』などが思い起こされる。
前者は、第二次世界大戦時の日本軍の失敗に関する研究、後者は、日本の製造業・工学の失敗研究としてきわめて重要である。基本的には、失敗からの苦い教訓(過去の成功体験への過剰適応)や、いかに失敗が起こるかの原因追求、ミスを減らすための研究であり、失敗から学ぶこと、失敗が起きたときいかに対処すべきか、などがねらいだ。



















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