ひきこもりを40年隠し続けた家族の強烈な孤立 自己責任論から「恥ずかしくて」周りに頼れない
困っている人がSOSを出せない社会
筆者が長年、全国各地の「ひきこもり支援」の現場を取材してきて感じるのは、まず、現在の日本社会は、ひきこもる人たちに限らず、困りごとを抱えた人たちの誰もが、SOSを出しにくい社会なのではないかという点だ。
現在の日本には「ひきこもっているのは恥ずかしいこと」「人に迷惑をかけてはいけない」「困った状況にいるのは自分の責任」といった価値観が根強くある。孤立は、本人の努力不足からくるという「自己責任」論だ。国は「共生社会」という理念を掲げているのに、地域には十分浸透していない。それどころか、現実は「~しなければいけない」とか「~してはいけない」という真逆の価値観に、当事者たちは苦しめられている。
そのせいで、困っていても声を上げることができずに、支援にたどり着くことすらできない。あるいは、ギリギリのところでようやく声を上げることができても、支援とつながったときには、すでに手遅れである事例もたびたび見てきた。
このような社会構造のせいで、ひきこもる子に限らず、「社会に迷惑をかけたくない」と、子を隠し、いわば“監禁”のような状態にしてしまう現状がある。
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