大行列!「奇跡の喫茶店」は、いかに誕生したか

愛される「石釜ホットケーキ」が生まれた理由

ホットケーキとビジネスをめぐって語り合う野中郁次郎(左)、田村信之(中央)、遠藤功(右)の各氏(写真:今祥雄)
ホットケーキという食べ物は、地味でありふれていて、手間暇がかかるのに値段が安い。商売として考えれば、あまり魅力的には思えないが、じつはホットケーキにはビジネスのヒントが詰まっている──。
『現場力を鍛える』『見える化』など数多くの著作があり、経営コンサルタントとして100社を超える経営に関与してきた遠藤功氏は、「一見ありふれていると思われているホットケーキだからこそ、ビジネスとして成功するチャンスがある」という。
「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』を上梓した遠藤氏が、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏、「石釜bake bread 茶房TAMTAM」の田村信之店主と鼎談を行った。
「石釜bake bread 茶房TAMTAM」の取り組みを参考に、「ビジネスで成功するためのヒント」について3氏が語る。

ホットケーキの名店「万惣フルーツパーラー」

遠藤:私は大のホットケーキ好きです。2019年、その趣味がこうじて、おいしいお店を紹介するガイドブックでありながら、ホットケーキという食べ物を通して「ビジネスのあるべき姿」を考察する「奇書」を出版してしまいました。

『「ホットケーキの神さまたち」に学ぶビジネスで成功する10のヒント』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

野中:そんなにホットケーキがお好きなんだ。

遠藤:東京の神田須田町に「万惣フルーツパーラー」という店があり、ホットケーキが名物だったんです。小学生のとき、弟と一緒に父に連れていってもらい、初めてホットケーキを食べたんです。

「世の中にこんなにおいしいものがあったのか」と感動しました。そのお店の近くに交通博物館があり、よく連れていってもらっていたのですが、その帰りに必ず万惣に立ち寄りました。

その万惣が大変残念なことに、2012年に閉店してしまったのです。久しぶりに訪ねたら、閉まっていて、店の前で茫然自失となりました。それから、私の食べ歩きが始まったんです。万惣に代わるホットケーキの名店を、時には関西まで足を延ばし、見つけようと訪ね歩きました。その成果をまとめたのがこの本というわけです。

野中:ホットケーキといっても、店によって見た目も味も違うわけですね。

遠藤:そうなのです。それぞれの店にはそれぞれのこだわりがあって、味も食感も、もちろん見た目もまったく違う。実に奥の深い食べ物なのです。

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