「ベイスターズ」がコロナ禍で味わった苦しい現実 改修した横浜スタジアム「1試合でも多く満員に」

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横浜スタジアム(写真:Ⓒ横浜DeNAベイスターズ)
観客数の制限、飲食、物販の制限から選手の練習環境の変化まで、新型コロナ禍によって、NPBの各球団は深刻な打撃をこうむった。オミクロン株の急拡大によって2022年も予断を許さないが、NPB球団はプロ野球の今後をどのように展望しているのか。横浜DeNAベイスターズのビジネス統括本部長を務める林裕幸氏に聞いた。

「率直に言って非常に苦しかった」

――横浜DeNAベイスターズは2019年、球団創設以来で最多の228万人を動員しました。しかしコロナ禍に入った2020年は46万人、2021年は72.6万人に激減。端的に言ってこの観客数の激減は、経営にどんなインパクトを与えたのでしょうか?

横浜DeNAベイスターズビジネス統括本部長の林裕幸氏(写真:筆者撮影)

プロ野球に留まらず、スポーツ界全体のビジネスモデルとしては、いかにお客様にスタジアムに集まってもらうかが基本です。チケット代に付随して飲食や物販の売り上げが発生しますし、スポンサードや広告も観客動員の影響が一定存在します。一番の肝となるその観客動員が作れなかったというのは、率直に言って非常に苦しかったですね。

2020年はまったく想像のつかない状況でしたが、10月30日から11月1日の公式戦では、神奈川県らと共に技術実証として観客数の上限を緩和できましたし、2021年は動員制限することなくお客様を入れられると思っていました。しかしふたを開けてみるとデルタ株の蔓延で緊急事態宣言も発出され、2021年も制限のある中での試合開催となりました。

今はオミクロン株の感染拡大で予断を許しませんが、感染防止安全計画の策定や来場者の検査実施で満員まで観客を入れられるという政府指針が出ています。それに従って、72試合の主催ゲームで200万人規模の動員を目指すという前提で考えています。実際のところは、2021年も年間を通じて50%程度しか入れられない状態とフルで入れられる状態を想定して経営管理を行っておりましたので、今年も当然、複数のパターンを想定しながら経営していくと思われます。

――昨年のポストシーズンで入場料を大幅に値上げした球団もありましたが、入場料の改定は考えていますか?

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