「ベイスターズ」がコロナ禍で味わった苦しい現実 改修した横浜スタジアム「1試合でも多く満員に」

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――東京五輪では、DeNAは本拠地の横浜スタジアムを野球、ソフトボール競技の会場として2カ月も明け渡すことになりました。これについてはどうだったのでしょうか?

本来ならば本拠地以外の球場や地方球場で集客をするのは大変なことなので、収益的なマイナス影響を想定していました。実際は、コロナ禍で動員制限がかかっていたため、結果的に想定していたほど大きな影響を受けなかったという印象です。

――ベイスターズは他の球団と同様、1954年の「国税庁通達」の「親会社が、各事業年度において球団に対して支出した金銭のうち、広告宣伝費の性質を有すると認められる部分の金額は、これを支出した事業年度の損金に算入するものとする」という適応を受ける子会社ですが、同時にDeNAグループのスポーツ事業の中核です。

スポーツ事業には陸上競技の「DeNAアスレティックスエリート」や、バスケットの「川崎ブレイブサンダース」等もありますが、事業規模としてはプロ野球が大きいのでスポーツ事業全体へのダメージも大きかったと思います。

コロナで変わった観戦スタイル

――ベイスターズのファンたちは、声が出せない、体を動かして応援できないというこれまでとは違う観戦スタイルを余儀なくされました。

確かにタオルを振ったり、ヤスアキジャンプ(山﨑康晃投手が登場時にファンがジャンプするパフォーマンス)をしたり、ジェット風船を飛ばしたりすることができなくなり、お客様の観戦スタイルは変わりました。今後についてはトータルでの「観戦体験」を考えていく必要はありますね。

声は出せなくても、しっかり手拍子をそろえて一体感を出すとか、リモート応援団とか、そういうことはこの2年間、いろいろチャレンジしました。コロナが明けても応援スタイルを元に戻すだけではなく、さらに進化した形でスタジアムに来る意味、価値を提供していかなければと考えています。

しばらくはハイタッチはできないかもしれないし、大声も出せないかもしれない。けれども、スタジアムでみんなが一体感を持って盛り上がれるような演出ができれば、やっぱりスタジアムに行きたいと思ってもらえるはずです。

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