「20万円の梅酒、90万円のウイスキーが人気」「毎日が戦争」インバウンドの最前線≪免税店≫で働く台湾人女性の“日本での暮らし”の本音

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日本人の友人が営む東京・中野区のコミュニティスペースにて(写真:筆者撮影)
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日本で暮らす在留外国人は376.9万人となり(2024年末現在)、過去最高を記録した。
しかし、増え続ける「外国人の隣人」に、誤解や不安を抱いている人もまだいるのが実情だ。そこで本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する人に話を聞き、それぞれの暮らしの実際に迫る。
第3回は、東京の免税店で働く台湾出身の林育儒(リン・ユール)にお話を聞いた。

きっかけはワーホリ

「着物の着付けもできるんです」

林育儒(リン・ユール)さん、ニックネーム・アリスさんはなんと、台湾人にして着付け師範の資格を持っているのだ。

「日本の浴衣を見て、帯の折り方がすごく気になったんです。それで着付け教室に通い始めました。日本人の方は2年くらいで師範になれるんですが、私は3年間くらいかけて勉強して」

いまでは日本人の友達に教えることもあるそうだが、生まれ育った台北から日本にやってきて、もう15年になる。その間にすっかり身についた日本語で楽しげにちゃきちゃき話し、気さくなお姉さんといった印象だ。

「はじめはワーキングホリデーで来たんです。ちょっと海外で勉強しますって両親には言って」

着付け師範の資格者ならではの見事な着こなし(写真:アリスさん提供)

ワーキングホリデーとは外国で休暇や旅行を楽しみつつ、アルバイトもできる国際的な制度だ。

協定を結んだ2国・地域の間で、互いに若者(多くは18~30歳)がこの制度を使って異文化の暮らしを体験している。

日本はカナダやオーストラリア、イギリス、それに台湾など32カ国・地域と協定を結んでいて、これらの国々で日本人の若者がやっかいになっているが、そのお返しにアリスさんのような人々も多く受け入れている。

台湾にとって日本は最も身近な外国であり、「両親も安心だから」とこの国に来たアリスさんだが、大学時からフランス語を学んだりチェコに留学したりと、さまざまな文化に興味を持ってきた。

本連載では、さまざまな事情で母国を離れ日本で生活する方を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
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