
きっかけはワーホリ
「着物の着付けもできるんです」
林育儒(リン・ユール)さん、ニックネーム・アリスさんはなんと、台湾人にして着付け師範の資格を持っているのだ。
「日本の浴衣を見て、帯の折り方がすごく気になったんです。それで着付け教室に通い始めました。日本人の方は2年くらいで師範になれるんですが、私は3年間くらいかけて勉強して」
いまでは日本人の友達に教えることもあるそうだが、生まれ育った台北から日本にやってきて、もう15年になる。その間にすっかり身についた日本語で楽しげにちゃきちゃき話し、気さくなお姉さんといった印象だ。
「はじめはワーキングホリデーで来たんです。ちょっと海外で勉強しますって両親には言って」

ワーキングホリデーとは外国で休暇や旅行を楽しみつつ、アルバイトもできる国際的な制度だ。
協定を結んだ2国・地域の間で、互いに若者(多くは18~30歳)がこの制度を使って異文化の暮らしを体験している。
日本はカナダやオーストラリア、イギリス、それに台湾など32カ国・地域と協定を結んでいて、これらの国々で日本人の若者がやっかいになっているが、そのお返しにアリスさんのような人々も多く受け入れている。
台湾にとって日本は最も身近な外国であり、「両親も安心だから」とこの国に来たアリスさんだが、大学時からフランス語を学んだりチェコに留学したりと、さまざまな文化に興味を持ってきた。
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