結果をちゃんと出す人とデキない人の決定的な差 真実を見抜き、相手の心をとらえる目の付け所

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人に何かを話す(発信する)ためには、話したくなることが自分の内側になくてはならない。気づく心といってもよいし、感じる心といってもよい。

多くの人にとって、発信といえば近年はSNSである(有名人は除く)。フェイスブックでも、読んだ人が「いいね」と思える人は、身近なことに「気づいている人」なのである。道端にあまり見かけない植物があった。公園にあるベンチの影が面白い形をしていた。鉄橋の下から線路を見上げると、摩訶不思議な世界に見えた……。

発信する時、「どうせこんなことは皆知っている」と思えば、情報をアップする気持ちが萎える。「発信」の核になるものは「面白がる気持ち」なのではなかろうか。

習慣から身に付けた「得意分野」を持つ

黒柳徹子さんは、毎日50回ヒンズースクワットを続けているそうだ。彼女にそうすることを勧めたのは、ジャイアント馬場さんである。「世界の馬場」に勧められて、それが習慣になり、黒柳さんの若さの秘訣の一つになっている。

毎日ヒンズースクワットを50回行うのはとても難しい。しかし黒柳さんは、それがやがて習慣になっていく。ご飯を食べたり、空気を吸ったりすることと同じことである。スクワット自体は、誰でもできる。40代以下で健康な人なら、ゆっくりやれば50回はできる。それを毎日やれるのは、黒柳さんのような偉人だけなのだが、1回やるだけなら誰にでもそれはできる。

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スクワットが習慣になれば、自己肯定感に包まれる。小さなことに過ぎないが、自分のニュースとして、SNSに挙げられる。自分が発信者になれる瞬間である。

たった1つの発信に過ぎない、と思われるかもしれないが、「生活」に裏打ちされた発信なので、「この人を信じられる」という気持ちが受信者に湧いてくる。また、「実は私もやっている」という反応が来ることもある。そうなると、単なる発信者ではなく、「情報の送受信者」になっていくものである。

簡単なことでよいから、得意分野を持ち、それを習慣のレベルまで高めることが、発信に底力を与えてくれるのだ。

特別なことでなくてもよい。誰にでもできることに繰り返し、それでいて「自分はそれをやり続けても飽きない」ものに出合うことが第一歩と言えそうだ。

竹内 一郎 宝塚大学・東京メディア芸術学部教授

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たけうち いちろう / Ichiro Takeuchi

1956(昭和31)年福岡県久留米市生れ。劇作家・演出家。横浜国立大学卒。博士(比較社会文化、九州大学)。さいふうめい名義で『哲也 雀聖と呼ばれた男』の原案を担当。2006(平成18)年、『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』でサントリー学芸賞を受賞。著書に『人は見た目が9割』『やっぱり見た目が9割』『ツキの波』など。

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