就活が「バブル化」している――。
といっても、景気が良かった時代の「バブル」ではない。オリンピックなどのスポーツ競技で行われた、選手と一般の人との接触を遮断する「バブル方式」「レースバブル」のように小さなグループに分かれる状況を指す。
この傾向は、新型コロナウイルスの流行とともに広がり、そして新たな課題を生み出している。
一斉登録が当たり前だった「コロナ前」の就活
そもそも、就活は従来、どういうものだっただろうか。ネットが一般化する前は、大学へ届く紙の求人票を見て、企業へ応募するのが一般的だった。企業は狙った大学の学生だけを雇用することが可能であった。また、学生は履歴書を手書きで記入しながら、好景気の時期も不景気の時期も乗り越えていた。
一気に変わったのはインターネットが普及してからだ。1996年に「RECRUIT BOOK on the Net」として現在のリクナビがサービスを開始し、2000年代にはオンラインでの企業応募が一般化していった。
それからは、大量エントリーの時代が始まる。オンラインであれば、コピー&ペーストで同じ文章を何社にも提出できる。また、求人票では目にすることができなかった、知りようがなかった企業情報にも公平にアクセスできる。そうして数十社、中には100社以上エントリーする「椅子取りゲーム型」の就活が一般化した。
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