日本経済団体連合会(日本経団連)の就活・採用スケジュールによれば、大企業では10月に2022年度卒業・修了予定の学生の内定式が終了。これから就活の主役となる2023年卒業・修了予定の学生が来年3月の企業説明会参加やエントリーシート提出に向け、業界や企業の研究に取り組み出した頃ではないだろうか。
その経団連が会員企業に要請する新卒者の就職・採用活動において遵守・配慮すべき項目のなかに、「卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者は、新規卒業・修了予定者の採用枠への応募を可能とすること」というものがある。
意欲や能力のある若者に応募の機会を広く提供することが重要である、という趣旨に基づいたものだ。しかしながら、見方を変えれば、日本企業の採用は多様化が進みつつあるものの、新卒一括採用を尊重する大企業が依然として多いことが背景にあるのだろう。
ランキング上位企業の顔ぶれは?
今回は、そのような旧態依然とした状況の再認識が目的ではなく、就活生の会社選びの参考情報として、新卒者を中心に採用している会社をご紹介する。『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2022年版掲載データを使い、2021年4月新卒入社者(一部、通年採用や第2新卒等を含む)と2020年度の中途採用者数の合計に対して新卒採用者が占める割合を「新卒採用占有率」として算出。
このうち採用人数が新卒・中途合計で10人以上の会社について、上記の新卒採用占有率の高い順に上位100位をランキングした。新卒採用を重視する会社の一覧として使っていただきたい。なお、2022年4月発売予定の『CSR企業白書』2022年版には、上位400社のランキングを掲載するので、こちらも参考にしてほしい。
コロナ禍といえども一律に採用が減っているわけではない。コロナ禍でランキング対象の年度に採用を大幅に減らしたか、回復途上で採用を増やしたか、という会社の事情の違いが影響を及ぼしているため、平時と比べると特殊なランキングであることにご注意いただきたい。
では、ランキングを見ていこう。まずはトップ10に入った企業だ。1位は新卒採用占有率100%で、藤田観光(新卒採用数29人、以下同)、ホソカワミクロン(21人)、たけびし(18人)、エバラ食品工業(14人)、東洋電機製造(14人)、クリヤマホールディングス(11人)、井関農機(11人)、大電(11人)の8社が並んだ。そして9位青山商事(新卒採用占有率99.1%、新卒採用者数114人、以下同)、10位リンナイ(98.8%、84人)、と続く。
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