コロナ禍が長期化する中、日本企業における経営者の役員報酬にはどのような変化が表れているのか。東洋経済が8月30日に発売した『役員四季報2022年版』には上場3831社、4万0584人に及ぶ企業役員の最新人事データを収録。本稿では、その中から年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業役員トップ500人のランキングを紹介する。
1億円以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は、その事実を有価証券報告書への記載で開示する義務がある。今回の集計対象は、2020年5月~2021年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を有価証券報告書で開示した上場企業だ。
2年連続1位はアメリカのセブン-イレブンのトップ
2年連続で1位となったのは、セブン&アイ・ホールディングス取締役で、アメリカのセブン-イレブンのトップであるジョセフ・マイケル・デピント氏。報酬は27億5500万円と、昨年度の24億7400万円から3億円弱増加した。
続いて2位は、ソフトバンクグループの取締役を務めていたサイモン・シガース氏が18億8200万円。同グループの副社長執行役員COOであるマルセロ・クラウレ氏は17億9500万円で4位にランクインした。
3位は武田薬品工業のクリストフ・ウェバー氏。昨年の4位から順位を上げたが、報酬は18億7400万円となり昨年の20億7300万円から2億円減少した。
5位はトヨタ自動車の取締役を務めていたディディエ・ルロワ氏で14億5100万円。6位のソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長は、12億4500万円で昨年の10位から上昇している。
ランキング上位10人うち8人が外国人だ。ソフトバンクグループからは4人ランクインしている。一般的なビジネスパーソンの生涯給料の目安といわれる2億円以上の報酬を得ていた役員は212人に上った。2年前の205人と比べても増加しており、日本企業における役員報酬の水準は上がっているといえそうだ。
なお、親子上場している会社から同一人物がそれぞれ報酬を得ている場合、複数ランクインしてしまうため、1つにまとめて表記している。ソフトバンクグループの宮内謙氏がそれにあたる。
また、Zホールディングス社長の川邊健太郎氏は、報酬を孫会社である同社からのみ得ているため、孫会社の名前と役職を記載した。子会社からのみ報酬を得ている、GMOペイメントゲートウェイ社長の相浦一成氏に関しても同様に記載した。
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