反ワクチン活動から足を洗った彼女が気づいた事 本当に欲しいのは「仲間」だったのかもしれない

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――とても親切ですね。確かに推奨期間を過ぎてしまうと、何から打ってもらえばいいのか、どんな量なのかわかりませんもんね。

そうなんです。それでホッとして、なぜ今まで受けさせなかったかという話をしたら、「いろんな考え方のお母さんがいますからね。そういうネットワークもあるみたいだし。それに熱が出たとかで受けられなくてそのまま、なんて人も相談に来たりするんですよ」って。

だけど、「子どもや周囲の弱い人のために、ワクチンは絶対に必要です」ということは、はっきりおっしゃっていました。帰る間際に「よく来てくださいました。私も勉強になりました」とも言っていただいて、恐縮したのを覚えています。

医師から責められることはない

――そしてすぐにワクチンの接種を始められましたよね。お子さんにはどのように話されたのでしょうか。

子どもには「今年はたくさんワクチンを打つことになるよ」と話しました。当然「なんで?」と聞かれたので、「あなたが小さい頃、お母さんはワクチンに不安を感じていて打てなかったけど、やっぱり親元にいる間に打ったほうがいいと思って」と答えたら納得してくれて、ありがたかったです。

たまたま重大な感染症にならずに元気に育ってくれましたが、それはラッキーだっただけだから、ワクチンの接種を始めてから振り返ってみて怖くなりました。子どもには申し訳ないことをしたと思っています。

――お子さんを大事に思っているからこそ接種に不安を感じられたわけですし、それは伝わるのではないかと思います。かかりつけ医の対応はどうでしたか。

それも少し心配だったんですが、まったく責められるようなことはなく、普通に対応していただけました。保健センターでもらった接種リストを持ってせっせと通い、中学3年生の途中までにほとんどすべてが終わりました。あとは20歳の頃に追加接種が1つあるだけです。

中学生だったからか無料で打てるものもありましたが、公費での接種期間が終わっているワクチンもあって、自費で5万円と少しくらいかかりました。

もちろん高くはないですし、当たり前の授業料だと思っていますが、いろいろな意味でもっと早く保健センターで相談しておけばよかった、というのが素直な感想です。それでも新型コロナウイルスが流行する前にワクチンを接種できてよかったとも思いました。何もしてなかったら、私がパニックに陥ったでしょうから。

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