若い人たちが冷静に判断できる環境なのか
――新型コロナワクチンの若年層への接種について、どのように考えていますか。
重症化する割合が少ないのにもかかわらず、10~20代の若い人にも接種する意義があるのか考える必要がある。若い人にも接種を勧めている論調のほとんどは、「家族への感染を防ぐため」という理由だ。「中高年の家族が感染し重症化しないために」という理由ならば、中高年へのワクチン接種に集中すべきである。
だが、そうならない本当の理由は、社会が「新規感染者数を減らしたい」ということにこだわりすぎているからではないか。もし、毎日、大きく報道される数字が「新規感染者数」ではなく、「重症患者数」ならば、若い人へのワクチン接種を急ぐ必要はないだろう。
新型コロナワクチンでは、国やマスメディアが「若い人も、とにかく接種しろ」と大号令をかけている感がある。ウイルスの漠然とした不安をあおり、「家族やマナーを大切にしたいならば接種すべき」といわんばかりの同調圧力もあり、若い人たちが冷静に判断できる環境なのか、非常に疑問を感じている。
――すでに職域接種で大学生への接種が行われています。また、接種対象も12歳以上に引き下がり、一部の自治体では小学生や中学生が接種しています。
高齢者や医療関係者から始められた接種による副反応疑いの事例が厚生労働省のホームページに公開されているが、多くの人が接種直後の発熱や全身の倦怠感、腕の痛みなどを経験している。一方で、それらに比べて頻度は低いだろうが、深刻で重篤な疾患も副反応疑いとして報告されている。アナフィラキシー、心筋炎・心膜炎、脳出血など、命に直結する疾患だ。なかには、ワクチン接種との関連性が指摘され、日本でも添付文書が改訂されるに至っている。
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