日本人選手が続々と金銀銅のメダルを獲得し、2度目の東京五輪の歴史を刻んでいる。その一方、東京都の新規感染者数が連日1000人を優に超える中、医療現場が逼迫してきている。
都内の入院患者は7月上旬の1500人台からわずか4週間足らずで2700人台に急増。保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる1日当たり件数も1カ月前の50件から184件へと3.7倍も増えた。東京都の検査の陽性率も10%を超え、感染爆発のステージ4を示している。
危機感が高まる中、五輪関係者の感染拡大も問題になっている。東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会によると、7月1日以降の累計感染者数が148人にのぼる事態となっている(7月26日時点)。
こうした中、今度は海外から大会関係者を迎え入れる玄関口、空港従業員の感染者の増加が懸念され始めた。
羽田空港近くの病院に勤務するある医師は「羽田空港従業員の新型コロナ感染患者が増えている」と証言する。羽田空港は、成田空港と並び、東京五輪の選手団や大会関係者らを大勢迎え入れている。
空港の第一線で活動する人が感染
この医師は羽田空港のある東京都大田区内の総合病院でワクチン外来や発熱外来を担当している。医師によれば、7月上中旬から、羽田空港内のレストラン従業員や、帰国者を案内するグランドスタッフなど空港の第一線で活動する人々の間で新型コロナ感染患者が増えているという。
医師は26日、筆者の取材に対し、こう話した。
「私が発熱外来に入った7月中旬、3人の方をPCR検査したら2人が陽性でした。うち1人が羽田空港で働いている方でした。その前の週から明らかに陽性者数が増えていて、毎日1人はPCR検査で陽性が見つかっていました。羽田空港関係者の割合が多いというのは看護師からも聞いています」
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