グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわからず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、ベストセラー『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者であるムーギー・キム氏の母親で、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた 著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
【読者からの子育て相談】
私は高校2年と中学1年の娘を持つ母親(41歳)です。中1の娘について悩んでいます。この娘には「感謝の気持ち」がないと感じるのです。
私の叔父は農業をしていて、私は子供の時から田植えに稲刈り、芋ほりと田畑の手伝いをし、収穫した作物を頂いてきました。娘たちにも農業の大変さや収穫の喜びを学ばせるため叔父の手伝いはさせており、それは楽しそうに手伝ってきました。
にもかかわらず、食事やお弁当を平気で残します。なぜ残したのかと聞くと「不味い、変なにおいがした」と平気でうそぶきます。同じ食事、お弁当を食べている高2の娘はそんなことはないと言い、こちらの娘は嫌いな物が入っていて残した時は、申し訳なさそうに謝ります。
「食べ物に感謝、作ってくれる人々に感謝、命に感謝」と、私は2人に同じように教育しましたのに、食べ物ひとつ取り上げてもなぜこんなに違ってしまうのか、先が思いやられて心配になります。
家族間とはいえ嘘や思いやりのない言葉づかいを見過ごしてしまうと、それが当たり前だと思い、学校や社会でも平気で思いやりのない言葉を使う子になってしまうと思うからです。
小さなことにも感謝することができて、さらには感受性の豊かな子供に育てるには、どのようにすればいいのでしょうか。
西原(仮名)
【パンプキンからのコメント】
自分よも不幸な人々に関心を持たせよう
話は少し飛躍しますが、8月31日付け毎日新聞の特集記事「キンダーの記憶」はお目に止まりましたでしょうか。第2次世界大戦直前、ナチスの迫害からユダヤの子供を守るため、英国政府が実施した「キンダートランスポート」(子供輸送)で、1万人のユダヤ人の子供に英国が命のビザを発行し、救った特集記事です。
そこに故リチャード・アッテンポロー監督の回顧談が紹介されています。そのようにして送られてきたユダヤ人の少女をみて、アッテンポロー監督の母親は、こう言ったそうです。「親のない子がいる。引き取るかどうか決めるのは、あなたたちよ」。
「自分よりも不幸な人々に関心を持つこと、自分のものを分かち合うことが人間の義務であることを両親は示した。その少女との暮らしがなければ『ガンジー』や(黒人差別を主題にした)『遠い夜明け』はなかった」
アッテンポロー監督の豊かな感性は、善き行いをされる親の生き方や導きによって磨かれた部分が大きいようですね。
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