グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわか らず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、ベストセラー『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者であるムーギー・キム氏の母親で、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた 著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
【読者からの子育て相談】
私は40歳、夫42歳で2歳半になる息子・幸一(仮名)がいます。幸一が1歳ちょうどのときからフルタイムの派遣で働きながら育児・家事を行っています。夫は統合失調症で、3年前私が幸一を妊娠中に仕事を辞めました。もとから気分の浮き沈みの激しい人でしたが、病気を抱えているとはそれまで判りませんでした。
夫はストレスがたまると暴れ出し、暴力をふるうこともあります。この3年間で2度精神病院に措置入院しました。幸一はパパのことが好きですが、2歳半にして父親が荒れると大変なことになるのが分かるのか、夫が私に声を荒げると自分の頭を壁に打ち付けて注意をひこうとするなど、心配になる行動をとることがあります。私がフルタイムで仕事をし、幸一の保育園送迎や食事の世話は夫がしています。
私の派遣のお給料で家族3人の生活は厳しく、夫が暴れないように顔色を窺う生活に、もうすっかり疲れ果てました。夫と離婚したいのですが離婚のタイミングが判らず、母子家庭になって子供に寂しい思いをさせるであろうこと、私ひとりで育てられるかなど不安がいっぱいで、頭の整理がつきません。
私の両親は60代後半ですが、新幹線で2時間ほどの他府県に住んでいるため、また窮状を訴えても理解できないのか、今のところ助けになっていません。そしてやっと入れた保育園や仕事を全部捨てて実家に帰る気にもなれずにいます。子供が危険にさらされるかもしれないのに、なぜぐずぐずしているのかとおっしゃる方も多いかと思います。夫が荒れる中、妊娠・出産・赤ん坊の子育て・保育園探し・仕事探し・仕事に家事に育児と何年もの間奮闘している中で、目の前のことに毎日精一杯でした。
冷静に話を聞いてくれる人もいなければ、手を貸してくれる人もいません。私は疲れ切っており、どうすればこの状況を解決できるのか考える力が残っていません。その中で息子の幸一は賢く可愛らしく、私の光です。幸一の為に何が最善なのか、私が答えを出すための助言をお願いします。広田(仮名)
【パンプキンからのコメント】
家庭内暴力は地獄と同じ
人は困難のどん底にいるときは、他人に助けを求めることも相談することもできないものです。その時間も心の余裕もアイディアも湧かないというか、目の前のことを無事にやりすごすことだけで精一杯になるのです。広田様、そんな状況の中で私にメールを下さったのですね。
厳しい見方をする読者もいると思います。「幸一君に危険が及ぶかも知れないのに、何をぐずぐずしているのか」と。そのように感じた方は、かなり幸運な人生を歩んでこられた方に違いありません。
私はこのような悩みを持つ方と少なからず、そして長く交友を持っており、広田様の悩みがよく理解できます。
まず必要なことは状況の整理です。貴女は、目の前の大変の中でも、一番の大変が何なのかに気づいていないために、いろいろと悩んでおられるのかも知れません。
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