グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわからず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、ベストセラー『
世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者であるムーギー・キム氏の母親で、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
今回は、海外生活になじめず、娘さんが家庭内暴力を振るうようになり、潔癖症にかかって母親との同居を拒むようになった母娘関係についてのご相談です。
【ミセス・パンプキンへの人生相談】
私は今、とてもつらい日々を過ごしています。
私の仕事の都合で夫を日本に残し、海外で娘と二人で生活していましたが、2年くらいすると、娘の家庭内暴力が始まりました。娘は当時15歳です。
理由は海外での生活や、特にインターナショナル・スクールに馴染めなかったことで、暴力は日を増すごとにひどくなりました。私は仕事をしながら生活を支えましたが、精神的に限界になり、やむなく、娘を日本の私の母のところに預けました。
そこでも私の母との折り合いが悪く、毎日罵り合いの日々が続きました。そこへ夫が娘と一緒に住める環境を整え、娘を迎えに来ました。娘はもともと父親が大好きで一緒に住みたがっていましたから、ここまではよかったのです。
3年経って私は日本に帰国することになり、日本では3人で生活をすることを娘に告げました。すると娘は、強く私を拒否し頑なに拒みます。娘は極度の潔癖症で、私とは正反対です。少しの乱れも許せません。
他の母親と比べては半狂乱になって、完璧に家事をこなせない私を攻めました。家事に関すること以外にも私への不満は多いようです。娘はそれらを理由に私との同居を拒むのです。
けれど、私にはそこまで拒まれることがショックでなんとも複雑な気持ちです。父親は娘を溺愛していましたので娘は父親は大好きで、私はただウザい存在だと言います。こんなわがままな娘の言いなりになって、これからも家族が一緒に住めないなんて、納得ができません。
たかこ(仮名)
<ミセス・パンプキンからのコメント>
心のトラブルと我がままを見分けよう
娘さんとは様子を見る意味で、しばらく別居を続ける方がいいと私は思います。
例えば夏目漱石ほどの人でも、イギリス留学で“イギリスの水”と合わず、神経衰弱にかかったそうです。海外で飛躍的に才能を開花させる人も大勢いますが、その人の持つ人生の目的や個性、背景などによっては、心にトラブルを持つ原因になりうるようです。
娘さんの場合は我がままだけではないと思います。潔癖症にかかった子供さんの理由を聞いていると、暴力を振るうほどの理由ではない「嫌い」が重なって「憎悪」になり、自分で自分がコントロールできない家庭内暴力につながる場合があるそうです。
家事などが完璧でないから母親を憎んでいるのではなくて、母親のことがいろいろな理由で嫌いになり、その理由の後付けで、家事云々と言っているように思います。娘さんが落ち着くようになってまだ数年です。本人が望んでいないのでしたら、もう少し様子伺いの時間を設けられるほうが得策だと思うのです。
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