還暦を迎えてしまった
いきなり私事になるが、この原稿を書いている今、大きな区切りの日を迎えた。還暦なのだ。若い頃は、60歳、還暦というと、どんなに思慮分別がついたオジサンかと思っていた。しかし実際には、オジサンという感覚も薄く、気分だけでいえば若い頃とほとんど変わらない。
会社員生活を振り返ると、「こうすればもっとうまくいっていたのに」と思うこともあれば、「なかなか頑張ってきたじゃないか」と自分を褒めてやりたい気持ちもないわけではない。
私は約35年間、同じ会社に勤めてきたが、年代によって会社の風景は大きく変わった。右も左もわからない新入社員時代、初めて部下を持った30代、働く意味に悩み、家族の重荷も感じる40代、定年後の生活にも思いを馳せる50代などである。年代によって仕事への悩みはさまざまであり、ひとつの段階を最も優秀な成績で超えられた人が、次の段階であっさりと転んでしまう事例も数多く見てきた。
本連載の第7回「何割の人が『働かないオジサン』になるのか」でも述べたように、若い頃どんなに優秀でも、8割は働かないオジサンになる。一方で、少数ではあっても、イキイキと働くオジサンがいるのも事実である。
「働かないオジサンになる人、ならない人」は、やはり年の取り方に深くかかわっている。それでは、働かないオジサンになる人とならない人では、どこが違うのだろうか。
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