半沢直樹もたまげる、究極の「出向先」 大手70社が出資・賛助する、"追い出し部屋"の正体

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JR東京駅近辺に勤務する人ならピンと来るかもしれない。ここが、本記事で取り上げる内容の重要な舞台である(詳細は記事後半で明かします) (撮影:尾形 文繁)

「おい半沢、聞いたか?近藤の出向先がタミヤ電機に決まったぞ」

及川光博さん演じる渡真利忍が、主人公の半沢直樹(堺雅人さん)に語りかける。2013年最大のヒットとなったテレビドラマ『半沢直樹』(TBS系)で、印象的だったシーンの一つだ。

『半沢直樹』の最終回では、銀行から外部企業への「出向」をめぐる、悲喜こもごもの人間模様が最後の最後まで描かれた。衝撃のラストシーンも大きな話題となっているが、出向については論争も巻き起こっている。ドラマが大ヒットした反動で、出向についてネガティブなイメージが多くの視聴者に刷り込まれたかもしれないが、実際の出向とは「出向元(元の会社)との労働契約を維持しつつ、出向先の指揮命令の下で就労する」仕組み。銀行に限らず一般企業では特段珍しいことでもない、という主張が出るのももっともである。

だが、こんな出向の通告を受けたら、さすがの半沢直樹もぶったまげるかもしれない。

富士電機子会社が下した、仰天の「出向命令」

「君の出向が決まった」

「外部企業に?出向先で何の業務に従事するのでしょうか?」

「君の転職先を見つけてほしい」

「私が自分で?」

「そうなる。行き先が見つかるまでの給料は会社が保証するから」

2011年7月。東京・八丁堀のオフィスで、そのやり取りは始まった。重電5社の一角であり、名門・富士電機の子会社である富士電機ITソリューション(FSL、現在は東京・外神田に本社移転)に勤務する40代男性の松木さん(仮名)は、上司からの通告とともに、会社から書面を受け取った。それには、主に以下の事項が記されていた。

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