働かないオジサンになる人、ならない人 人事のプロが教える、3つの分岐点

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これは、「働かないオジサン」なのか?

最後に、私が最近受けた相談をご紹介しよう。喫茶店で会ったA君は、社内の2人の「働かないオジサン」について、非常に強い不満を持っているようだった。皆さんは、このA君の会社の2人のオジサンを、どう思われるだろうか?

 A君は、入社7年目の30歳。不動産販売会社の営業所で、主に、住宅地の新築・中古物件の売買を担当している。担当はエリア制で、私鉄の4駅の沿線が主な担当である。
 A君の職場には、50代半ばのオジサンが2人いる。
1.ひとりは、A君と同じ課にいるBさんだ。実は一昨年まで、A君の直接の上司だったが、役職定年になって、昨年から一営業員として隣のエリアを担当している。近隣の地域で物件を探している顧客が多いので、営業担当者同士の連携が必要なのだが、Bさんは、役職を外れてから意欲を失ったようで、必要な連絡がなかったりタイミングが遅れたりして、成約するチャンスを逃してしまうこともある。
 成績によってボーナスの査定にも影響が出るので何とかしたい。A君はほかの担当者とは特に問題はない。上司である課長もBさんの状況は知っているが、今は特に注意もしていない。
2.もうひとりは、総務担当のCさんだ。Cさんは、親会社である大手不動産会社から出向してきて、総務担当部長をしている。契約書管理、信用力の調査、コンプライアンス、税理士相談の手配などを担当している。
特に若い担当者に対しては、契約書やコンプライアンス面の不備を厳しく指摘する。言うことは間違っていないのだが、Cさんの上から目線の話し方に、A君はいつも反発したくなる。またCさんはバブル期に営業を経験しているので、現在の顧客の厳しい状況も理解していない。A君たちは、顧客の都合で毎日遅くまで仕事をしているのに、Cさんは、定時になると、すぐに帰ってしまうのも納得がいかない点だ。事務職の女性陣からは、すでに販売会社に転籍しているのに、親会社のほうばかり向いているという批判も聞いている。
 A君は、このBさん、Cさんが自分よりも高い給与をもらっていると考えると、腹が立ってくるという。

さて、このA君の考え方は、もっともなのだろうか? それとも、A君にも改善すべき点があるのだろうか? また、A君がもう少しモチベーションを上げるための方策はあるのだろうか? あなたのご意見を教えてほしい。

※Twitterで、ハッシュタグ「#働かないオジサン」をつけて投稿してください。いただいたご意見は、連載の中で紹介させていただくことがあります。なお、ご意見を紹介させていただいた方には、筆者のサイン入り書籍『人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』をプレゼントいたします。

楠木 新 人事コンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くすのき あらた / Arata Kusunoki

1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事