脱・人気取り。ネットメディアはどこへ行く? ツイッター創業者のひとりが考える、次世代メディア

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ツイッター創業者のひとりが思い描く、次なるネットメディアとは?(写真:Brad Barket/ Getty Images Entertainment)

エヴァン・ウィリアムズという名前は、彼の業績に比べると日本での知名度は高くない。だが、彼はブログやツイッターという、現在、われわれが普通に使いこなしているメディアをこの世に出したひとり。アメリカのインターネット界、メディア界では、ビジョナリーとも見なされる人物だ。

ツイッター創設を経て、新たに挑むメディアの中身

ウィリアムズの名前が広く知られるようになったのは、世界で最初に作られたブログ専用プラットフォームだったブロガーが、グーグルに買収された2003年のこと。ブロガーは、ウィリアムズが共同創業したパイラ・ラボで1999年に生み出された。パイラ・ラボは、プロジェクト管理を行うソフトウエアを開発しており、そのひとつとしてブロガーをスピンアウトさせたのだ。その後、インターネットで普通の人々が発信できるメディアとして、どんどん利用者を増やしていった。

買収された後、しばらくグーグルにとどまったウィリアムズは、2004年にオデオという会社を共同創設する。これは、ポッド・キャスティングのプラットフォームとツールを提供する会社で、ここからスピンアウトされたのがツイッターだ。2007年のことである。ツイッターを創業したのは、ウィリアムズ、ビズ・ストーン、ジャック・ドーシーの3人だ。

140文字以内でその時の思いやアイデアをつぶやくという、新しい表現の方法が瞬く間に人気を得たのは、ご存じのとおり。今や個人だけでなく、企業や政府、大統領までが利用するメディアになった。2013年の同社IPOの成功は、これまでにないツールを人々に提供するインターネット企業の成功例として見なされたことを意味している。

CEOも務めたウィリアムズは、2010年に日々の業務からは退いた。その後、2012年になって発表したのが、Medium(ミディウム)だ。ミディウムは、ウィリアムズとストーンが共同で創業。その後ストーンズは、新しい検索エンジンを開発する別会社を創業したため、現在はウィリアムズが中心になっている。

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