ブロガー、オデオ、ツイッターという彼の経歴を見てもわかるように、ウィリアムズは、メディアのためのツールとプラットフォームを一緒に開発して人々に提供してきた。その彼が考案したミディウムは、わかりやすく言えばもうひとつのブログ・プラットフォーム。だが、決してそれにとどまらない進化形としての仕組みを備えている。
ミディウムは、まずブログ作成がシンプルでわかりやすいことが評判だ。いわゆる「WYSIWYG(ウィジウィグ)」と呼ばれる「見た目のまま(What You See Is What You Get)」に、入力画面と実際の画面のフォーマットにズレがない。普通は、入力してプレビュー画面に切り替え、出来上がりを確認することが必要なのだが、ミディウムでは見えるものがそのまま出来上がりであるというポリシーでツールを提供しているのだ。そして、その出来上がりも非常にシンプルで、現代の若者が好みそうな画面だ。
また、読者がコメントをつける方法が異なっている。文章の最後にまとめてつけるという従来のやり方ではなく、文章の途中のある部分に特定してコメントを加えることができるのだ。ほかの読者は、あるブログを読み進めながら、ところどころで人々がコメントしたことを参照することができる。同じく、ツイートやグーグル+への投稿も、部分的な箇所を選んで行うことができる。
要は、ひとつの文章であっても、部分を自在に切り取って、そこにコメントを書き込んだり、ほかのプラットフォームにつなげたりすることができるわけで、まさにテキストがデジタル化されているとは、こういうことを指すのだろうと思わせるのだ。
クオリティで決まるランキング上位
そうした仕組みも新しいが、ウィリアムズがミディウムというメディアを立ち上げたその根本的な理由も興味深い。彼は「アイデアのための場所」を設けたかったというのだ。
「今や情報は無尽にある。一方、ほとんどのシステムはうまくできていない。だから、最良のレコメンデーションシステムがあったとしても、そして情報のノイズがなくなったとしても、自分が真に関心のあるコンテンツにたどり着くのは簡単ではないんだ。だから、ミディウムでは、最も価値のあるもの、優れたアイデアのあるものに目がいくようにしたい」と、ウィリアムズは説明している。
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