見えてきた、中国と北朝鮮の「本当の関係」 中国から北朝鮮への「原油輸出ゼロ論争」決着へ
今年7、8月、平壌など北朝鮮を訪問した複数の在日コリアンは東洋経済の取材に対し、「平壌市内のガソリンスタンドなどでガソリン価格が上がったとか、足りないという声は聞かなかった」と口をそろえる。
中国の対北直接投資は、「右肩上がり」
中国の統計については、2004年にも中国の統計から8カ月連続で商業取引の実績が載せられず、年末になって一挙に大規模な取引実績が掲載されたことがある。そのため、この当局者は「年末まで待たないと、正確な取引実績はわからない」と慎重な態度を見せている。
実際には、原油取引については北朝鮮も多角化を進めているようだ。VOAは韓国の専門家の話として、シンガポールなどの先物市場で直接購入したり、ロシアや中東から労働者を派遣する代価として原油を受け取るルートがあるという。
東洋経済が取材した複数の中国の北朝鮮専門家も「イランから輸入するなど多角化を図ろうとしているのは間違いない」と口をそろえる。
一方で、「中国は北朝鮮を放棄していない」と、資料を基にはっきりとそう断言する声も出てきた。
韓国の総合週刊誌『週刊東亜』は7月23日号で、「中国による北朝鮮放棄論の虚実」とする記事を掲載。この中で、中国が北朝鮮に投資した金額を示すデータを公開し、その件数と金額が増加していることを示している。
『週刊東亜』が掲載したものは、中国商務省や為替管理局が集計した北朝鮮向け海外直接投資に関する統計資料であり、2003年から2014年6月までの海外投資件数・金額が詳細に示されているという。この期間中、中国商務省が承認した北朝鮮向け投資は合計189件。投資主体は、主に地方の各省政府系企業であり、北朝鮮の国営企業と契約を締結して進めている。
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