見えてきた、中国と北朝鮮の「本当の関係」 中国から北朝鮮への「原油輸出ゼロ論争」決着へ
「原油輸出の実績がゼロだからといって、中朝関係が悪いと決めるのは早計」。そんな声が、韓国政府から出てきた。東洋経済もこれまで、中国の税関統計では北朝鮮向けの原油輸出実績がゼロになっており、このため中朝関係の状態をめぐって韓国で論争が起きていることを紹介してきた。今回、韓国政府のこのような情報が流れ、「中朝関係は悪化していない」という見方が大勢になっているようだ。
米国「Voice of America(VOA)」の韓国語放送は8月28日、韓国政府当局者の発言として、「商業取引とは別途に、中国は北朝鮮に原油を援助している」と伝えた。さらにこの当局者は「中国の統計に出ていないからといって、中朝関係の悪化を断言するには早すぎる」と付け加えている。
援助的な原油支援は続けられている
中国の税関統計では、今年1〜7月の北朝鮮向け原油輸出がゼロとなっている。これについて韓国政府当局者は、「商業取引とは別途に、中国は毎年、暗黙的に原油を北朝鮮に支援しており、それは今も続けられている」と言う。この支援とは、長期の借款という形ではあるが、実質的には無償に近い原油供給だと説明する。
実際に、「北朝鮮内部でガソリン価格が急騰、あるいは不足した」といったような、異常な動きは見られていないという。また、原油精製施設の稼働状況など、韓国政府が収集しうる原油関連指標などを分析した結果から見ても、「北朝鮮で原油不足などの深刻な徴候は発見されていない」と、この当局者は付け加えている。さらに、「公式統計にないからといって、商業的な原油取引がまったくないと判断するのは尚早」とこの当局者は述べている。
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