見えてきた、中国と北朝鮮の「本当の関係」 中国から北朝鮮への「原油輸出ゼロ論争」決着へ
年度別に見ると、北朝鮮が初めての核実験を行った2006年に、当時としては史上最多となる31件の対北朝鮮投資が承認されている。2007、08年と減少したものの、2回目の核実験を行った2009年以降は増加に転じ、2011年以降からは年間20件以上を記録しているという。
3回目の核実験を北朝鮮が行った2013年の投資件数は28件。今年1〜6月には19件と、年末には30件を突破しそうな勢いだ。特に、中国以外の国が北朝鮮への直接投資を減らしているなかで、中国の投資が逆に増え続けていることが目を引く。
韓国の経済制裁で減った分を、中国が穴埋め
金額から見ても、2010年に3800万米ドルから11年に5500万ドル、12年に7900万ドルと増加。特に2010年に韓国が現在も実施中の対北経済措置(「5.24措置」)を出したことで韓国からの投資が期待できなくなったものの、北朝鮮からすれば減った分を中国から引き出したということになる。
同誌は、各国の移行期経済などが専門で北朝鮮経済にも詳しいソウル大学経済学部のキム・ビョンヨン教授の言葉を引用している。若干長くなるが紹介しよう。
キム教授は、「5.24措置以前には、韓国企業が中国内の韓国系企業を通じて北朝鮮に下請けに出し、衣類などを加工・生産した後に韓国に販売していた。ところが2010年以降には、中国企業に下請けとして出すようになった。その中国企業は人件費を節約しようと北朝鮮に孫請けに出し、北朝鮮側から商品を受け取った後、原産地を北朝鮮から中国に替えて韓国市場に送っている。5.24措置以降、中国企業が北朝鮮から輸入する鉱物などの地下資源以外の物品の半分は、最終消費地が韓国という調査結果もある。結果的には何の変わりもないが、中国企業の腹を太らせたということだ。こんな取引で中国企業が儲け、被害者は韓国企業。北朝鮮には損も得もない」と分析している。
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