「おすそ分け」を始めた私が得た「思わぬ副産物」 物のやり取りがお互いの「空気」を変化させる

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いただいたカレーで至福の昼食!(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第31回をお届けします。

「あげる」ことは決してカンタンではない

前回、ちらりと重要なことを書いた。

稲垣えみ子氏による連載31回目です。

「今や、着なくなった服や、読んでしまった本や雑誌は、知人やお店に声をかけてタダでもらっていただくことがすっかり習慣化した」

こんな重要なことを、あまりにもアッサリと書いてしまったことを反省している。

だってこれじゃあまるで、これがえらくイージーなこと、特段の苦労もなく即座にできちゃうことのようではないか。

確かにね、普通に考えればイージーに思えるだろう。

何しろわれらの常識では、大変なことといえば「ものを手に入れる」こと。だってそのためにはお金を稼がねばならず、そしてお金を稼ぐのは本当に大変なことなのだ。会社に勤めることも大変だし、会社に勤めず稼ぐこともこれまた大変である。

つまりはイージーな方法などどこにもない。だが現世で生きる以上、その苦労から無縁で生きることもできぬ。だから生きることはつらいのだ。

でもですよ、「ものを手放す」なら誰だってできるはずではないか。

手放す決意がつかないといった心理的抵抗はあるだろう。しかしそれさえクリアしてしまえば、単純に考えて「手に入れる」のとは違ってさしたる苦労も努力も不要のように思える。だって、単に誰かにあげればいいのだ。タダとなれば値段の交渉も必要なし。それなら目をつぶってたってできるはず……。

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