自主映画を40年以上支援し続ける「PFF」の信念 「PFFアワード」から多くの映画人材を生み出す
コロナ禍で映画業界は、厳しい状況が続いているが、多くの人が参加する「映画祭」も同様に逆風が続いている。
そろそろ秋の映画祭シーズンとなるが、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2021」「山形国際ドキュメンタリー映画祭2021」「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021」といった国内の著名な映画祭はオンラインを中心とした開催にすると表明している。関係者はエンタメの灯を消してはいけないと、できる形を模索し続けている。
そんな中、若手監督の登竜門と呼ばれる映画祭として長年親しまれている「ぴあフィルムフェスティバル」(以下、PFF)が今年も9月11日から25日にかけて東京・京橋の国立映画アーカイブで開催されている。
自主制作映画展が前身
映画祭の醍醐味といえば、「人との出会い、映画との出会い」が挙げられるが、PFFはコロナ禍でもその部分は大切にしている。PFFの荒木啓子ディレクターは「絶対にスクリーンで上映することはやめない。自分の作った映画をパソコンの画面でしか観たことがない人も多い中、見知らぬ人たちと一緒に映画を観て、いろいろな反応を知ることができるというこの特別な状況を体験してもらうことこそが映画祭の使命」と語る。
そもそも、「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」の始まりは1977年。映画、演劇、音楽の総合イベントとして、ぴあが東映大泉撮影所で開催した「第1回ぴあ展」内の「自主製作映画展」がその前身だ。
1981年の第4回映画祭からは名称を「ぴあフィルムフェスティバル」に改め、それからおよそ40年にわたって活動を続けてきた。開催は今年で43回目に達する。1976年スタートの「湯布院映画祭」(大分県)と並び、日本で現在も続く映画祭の中では、非常に長い歴史を持つ。
中でも、新しい才能の発見をテーマとした自主映画のコンペティション「PFFアワード」は、メインプログラムのひとつだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら