映画は本来は自由であるべきだ
――『新聞記者』の公開時は宣伝に苦労したと聞いていますが、今回の『パンケーキを毒味する』の宣伝はいかがですか。
『新聞記者』の時もそうでしたが、テレビは一切扱わないですね。それは『パンケーキ~』も一緒です。かろうじてラジオや新聞が扱ってくれます。
映画は、本来は自由であるべきだと考えています。なぜならば、テレビというのはスポンサー(広告主)の影響を受けるわけですが、映画は観客がお金を払って観るからです。だから本来はそういう影響を受けてならないのですが、映画界でもやはり忖度があるというか、長い間、政治的なものは避ける、というところはあったと思うんです。でもこういう映画を待ち望んでいるお客さまもいるはずなんです。
――まさに『新聞記者』が公開された時もそうでしたね。
『新聞記者』の初日に待ち望んだ人たちがドッと(メイン館となる)新宿ピカデリーに来てくださいました。年齢層も高かったですが待ち望んでいた人が多かった。しかも、映画館では拍手はしないと思うんですが、拍手をしてくださった。なんだか演劇を見たような感じでした。
今回の『パンケーキを毒見する』では、日本大学芸術学部の学生を対象とした試写会をやったんです。さらにユーロライブという会場でも、政治に関心がある若い人たちを集めた試写会をやった。これらの試写会がものすごく受けたんです。反響が熱狂的だったというか、アンケートをとったら、ほとんどの子が政治にまったく興味がないと答えていたのに、この映画を見た後は投票しますと言ってくれて。これは驚きました。やはり若い人にとって指針がないというのは問題なんですね。
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