
勤めていた銀行で横領事件を起こした父
アキラさん(仮名、30歳)が生まれたとき、父親はすでに2000万円の借金を抱えていた。勤めていた銀行で横領事件を起こしたのだという。その後、配達ドライバーに転職したものの、そこでも商品を盗もうと倉庫に侵入してクビになった。

アキラさんが小学1年生になると、両親が離婚して母親が家を出て行った。忘れもしない夏休みに入る直前。玄関先で母親から「今日はおじいちゃんが学校に迎えに行くから。そのままおじいちゃんの家に帰ってね」と言われ、送り出された。普段と変わった様子はなかった。ただそれきり、母親とは一度も会っていない。
不思議なことに当時、アキラさんは母親が突然いなくなった理由を尋ねたり、さみしがったりした記憶がない。このときの心境を尋ねると、少し考えた末「諦め? でしょうか」と答えた。
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