大人もわかっていない「いじめとは違いの否定」だ 学校で、職場で「唯一絶対主義」に陥る人たち

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年次休暇制度のよいところは、休むために理由を言う必要がない、ということです。よく学校を休ませる常套句として「今日は具合が悪いので休ませます」というのがありますね。仮病を使って休むのもいいのですが、おせっかいなヤツや先生が見舞いに来る可能性があるんですね(笑)。子どもも年次休暇を取ることができれば、周囲を気にせず、堂々と休めます。

残念ながら現在そのような制度はないので、もしあなたの子どもが学校に疲れているのなら、学校を休ませてあげてください。早めに休ませることで、早めの回復が期待できます。疲れ果てている状態の子に登校刺激をすると、ますます追い込んでしまうので、登校刺激はやめましょう。

先ほど申し上げたように子どもには学校へ行く義務はないことを認識しておけば、親も子も学校へ行けないことに関して罪悪感を持たなくてすむと思います。罪悪感から放たれてこそ、真の休養が取れるわけです。

そして、不登校の子に必要な2つ目は「栄養」でしたね。栄養とは何かというと、「情報」です。その子に合わせた教育が受けられるような方法とはどんなものがあるのか、知っておくことが大切だ、ということです。

私が児童精神科医として相談を受けたなかには、父親から「中学にも行けないようなヤツは人間じゃない」「まともな大人になれない」と脅されて、無理やり登校させられたケースがありました。これは子どもにとっては非常につらいことです。ただでさえ学校で疲れ果てているのに、ネガティブな情報しか与えられず、脅されるような状況が続いたら、だんだん生きていくのがイヤになると思うんです。

希望が見える情報の備えを

今は学校へ行けなくても、いろんな方法があります。小中学校で不登校になったとしても、インターネットや、学校以外の居場所など、現籍校以外にも学び方はありますし、学校に通わなくても卒業証書はもらえます。高校になれば通信制や定時制など選択の幅が広がります。学校がイヤなら、高卒認定試験を視野にいれてもいいでしょう。

不登校の悩みを相談したければ、不登校当事者の集まりもあります。子どもが将来に希望を持てるような情報は実はたくさんあるんです。親御さんはいつでも子どもに情報提供ができるように、備えておくことが大事でしょう。

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