中川翔子「私が母にいじめを言えなかったワケ」

子どもからのSOSを見逃さないでほしい

中川翔子さんが今伝えたいこととは?(撮影:今井康一)
『しょこたん』の愛称で親しまれている中川翔子さんは、10代の頃に壮絶ないじめを受けていた。いじめの舞台になったのは、中川さんの母の母校でもある私立女子校だった。母親との関係は良好だったが、いじめられていた事実をなかなか伝えられず、引きこもりがちになったという。
いじめ体験をつづったイラスト付きエッセイ『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)が話題を集めている中川さんに、親や周囲の大人が、いじめのSOSを察知するにはどうしたらいいか、自衛の手段はないか聞いた。

タイトルに込めた思い

――『死ぬんじゃねーぞ!!』というタイトルは、呼びかけとしては強い言葉ですよね。タイトルに込めた思いは。

ライブのときに、自然と口から出た言葉なんです。お客さんが笑顔で応援してくれる様子を目にして『いじめは本当につらかったけれど、今まで生き抜いてきて、本当によかったな』と心の底から思って。いじめを苦に、死ななくてよかった。来てくれたお客さんも、全員今まで生きててくれてよかった、という思いがあふれたんです。ライブは、私自身が初めて「生きること」を肯定できた瞬間でした。

――中学時代に受けた陰湿ないじめは、ステージ上でも思い出してしまう一生の傷だったのですね。

私も、大人になってからもずっと引きずられていましたね。いじめを受けていた頃には、先を考える余裕もなかったんです。大人になってからこんな幸せな未来がくるなんて、まったく想像つかなかったんですよ。

いじめは、解決したら終わりというわけではありません。思春期の子どもの心って、ガラスみたいに透明で、簡単にヒビが入ってしまうんです。いじめられている子は、「いかに今を生き延びるか」を考えています。

「卒業するまでの間だから」とか言われても、明日、明後日と学校に行く毎日が地獄。時間軸も、大人と感覚が違うんですよ。「この5分休み、独りでどう過ごせばいいんだろう」とか、学校にいるわずかな時間がすごく長く感じるんです。すべての大人は、加害者じゃなくて被害者を守ってほしいです。

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