65歳定年後も快活な人としょんぼりする人の差 「生きがい」と自活能力を身につけられるか
県内の神社仏閣や自然コースをはじめ、しまなみ海道の一部を歩くといった催しを次々と企画し、県のウォーキング協会の役員、市の老人クラブ連合会の常任理事も務めました。
みんなに喜んでもらえるのが「楽しみだな」と、意欲的に活動してきたのです。そして、その功績が認められ、88歳になった2015年、内閣府よりエイジレス・ライフの実践者として表彰されました。
2020年で94歳になっていますが、介護認定もまったく受けずに元気で暮らしています。あまりに元気で、いまも自転車に乗って買い物に出かけているので、子どもたちはヒヤヒヤものです。
さすがに歩く距離は落ち、「1日3000歩くらいしか歩けない」などとぼやいていますが、年齢を考えれば驚くばかりです。
父の場合は、定年前にやっていた「ゴルフ」がきっかけで「ウォーキング」に出会いました。定年後の楽しみは、何がきっかけで見つかるかわかりません。
「ウォーキング」をとおして社会とのつながりをもちつづけ、それが健康維持にもつながり、なによりも「たくさんの人に喜んでもらえる」ことが生きがいにつながったのでしょう。
人が強い幸福を感じるのは「誰かが喜んでいるのを見たとき」であることが、脳科学でもわかっています。そう考えると、父はまさに幸せな生き方を見つけることができたのだと思います。
人生の先輩方は老後をまだまだ先と思っている
あなたは、何歳からを老後だと思いますか。
メットライフ生命の「老後を変える全国47都道府県大調査」(2019年)によると、平均は「67歳」だそうです。ただし、年齢が上がるほど、老後だと思う年齢は上がっていきます。60代〜70代の回答は「70歳」が大半を占めていました。年齢以外の理由では、「身体が思うように動かなくなったとき」がトップです。
老後って、いくつからなのでしょう。
あるとき相談にみえた85歳の方は、「これからの老後資金が心配で、お金を増やせないか」と悩んでいました。先ほどお話しした94歳の父に「いまは老後だと思っている?」と尋ねたところ、「ぜんぜん思ってないよ! 100歳まで生きるし」という答えが返ってきました。
人生の先輩方は、老後はまだまだ先だと思っているようですよ。
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