65歳定年後も快活な人としょんぼりする人の差 「生きがい」と自活能力を身につけられるか

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60代は気力・体力ともにあります。仕事がなくなったといって、くすぶっていてはいけません。新たなチャレンジのときです。

「老後」の定義はまちまちです。自分で老後だと思わなければ、老後ではなくなります。

老後の心配がなくなる究極の方法は、「老後をなくすこと」です。これは楽しい人生を送れる近道でもあると思います。

そのためにも、生きがいを見つけることが必要です。

夫の早死にを防ぐ極意は「キッチン」にあった?

夫婦で過ごす老後の時間が長くなり、夫婦間の会話が増えるのはとてもいいことです。とはいえ、いつかはどちらかが先に亡くなります。ここは避けようのない宿命です。平均余命で考えると、夫のほうが先に死亡する確率が高いのですが、こればっかりはわかりません。

ある日、妻に先立たれることだってあります。

残された夫はもれなく孤独感に苛まれます。しかし、実生活でもっと困った事態に直面します。それは食事や掃除、洗濯といった日常的な家事です。

家事はほとんど妻任せにしていませんか。担い手がいなくなったら、とたんに日々の暮らしが回らなくなります。

洗濯物は洗濯機が洗ってくれるとしても、ひとり暮らしだとそれを干すのもおっくうになって、同じ下着を何日も着ていたり、一日中パジャマのままで過ごしたり。日常が壊れ、外出も少なくなるという悪循環に陥ってしまいます。

こんなだらけた生活を送っていれば、長生きできるはずがないでしょう。

いっぽう、妻が残された場合は違います。炊事、洗濯、掃除などは長年続けてきたことなので、日常生活が大きく崩れる可能性は低いのです。

アメリカのロチェスター工科大学の研究によると、妻を亡くした男性の余命は、同年齢の平均余命に比べて30%短くなるそうです。ちなみに、夫を亡くした女性の平均余命には変化がないとのこと。なんとなくうなずける研究結果ですね。

夫婦どちらも元気で長生きをし、ポックリ逝くのは理想ですが、そううまくはいかないのが現実です。

とくに家事に不慣れな夫は要注意。いまのうちから自活能力を身につけ、自立した健康的な生活を続けられるようにしておくことが重要です。

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