脱炭素達成のカギを握る「寒すぎる家」の大問題

家が暖かくなれば「空き家問題」も解決に向かう

実際、環境先進国のドイツでは、化石燃料に由来しない創エネルギーと同時に始めた建物の断熱化が、想定を上回るほど効果的に機能している。エネルギーの消費量を減らすことは、エネルギーを作るよりも容易だ。

下の写真は高断熱化改修されたドイツの建物である。

ドイツの高断熱住宅。断熱材を貼り高断熱を実現している(写真:筆者提供)

このように、窓以外の壁に断熱材を貼ることで、高断熱を実現している。同国政府は今後「化石燃料を買わなくてよくなるための投資」として位置づけ、手厚い補助金をつけている。

では、建築分野で二酸化炭素をどのくらい減らせるのだろうか。例えば先進国ドイツでは2021年以降のすべての新築建物は脱炭素化を実現するよう、法律化されている。一方、日本では前述の「次世代省エネ基準」(1999年に策定)の義務化さえ、見送ったばかりだ。

エネルギーを作り、消費エネルギーを抑える

建物の寿命は長い。2050年脱炭素を実現するのであれば、今すぐにでも脱炭素化に向けて日本の建築も脱炭素化しなければならない。もはや「2020年基準」のような生ぬるい基準では時代遅れだ。だが太陽光などでエネルギーを作る一方、消費量は従来よりも抑制された住宅が当たり前になれば、住宅分野の脱炭素化は一気に解決する。

これはそれほど難しい技術ではない。

(創エネルギー)-(消費エネルギー)=ゼロ(以上)

になればいいのである。

では具体的にどうすれば「プラスマイナスゼロレベルの住宅」が実現するだろうか。まず創エネルギーのほうだが、一般家庭で標準的に導入されている4〜5kWの太陽光発電で十分だ。一方、消費エネルギーはどうか。前出の「2020年基準」では足らないが「その半分程度の燃費」で済む断熱性能を持つ住宅なら、ちょうどバランスが取れる勘定だ。

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