太古の生物に「死は存在しなかった」驚愕の事実 細胞が自発的に「死ぬ」ようになったワケ

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細胞は自発的に死んでいきます。なぜそうなったのでしょうか(写真:Vladfree/PIXTA)
死は誰もが必ず経験することになるものですが、そもそもなぜ人は死ぬのでしょうか。実は地球に生命が誕生してから約18億年間は、「死」そのものが存在しなかったと解説するのが、ジャーナリスト・池上彰氏です。いったいどういうことなのでしょうか。池上氏の新著『池上彰と考える 「死」とは何だろう』から一部抜粋・再構成してお届けします。
前回:東北被災地の霊体験に見る「死との向き合い方」

「小さなかけらになって死んでいく」細胞を発見

人間の細胞が「きちんと死んでいく」様子については、1972年、オーストラリアの病理学者、ジョン・カーらが偶然、見つけました。病気になった組織を顕微鏡で観察していると、「小さなかけらになって死んでいく」細胞を見つけました。

私たち人間の体は、「細胞」という基本単位からなっていますが、この細胞の中に、さまざまな指令を出す「DNA(遺伝子)」があり、カーは、「細胞はもしかして自発的に死んでいるのではないか。これはDNAが指令を出しているのではないか」と考えました。

カーはこれをアポトーシス(apoptosis)と名付けました。ギリシャ語で“apo”は「離れる」、“ptosis”は「落ちる」という意味で、英語でいえば”falling off”。細胞が小さなかけらになっていく様子を、秋に木の葉が落ちる様子になぞらえたのです。科学者も、わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか、と知恵を絞っているのですね。

当時、細胞の死を巡っては、細胞が膨張し、破裂して死を迎える「壊死」=ネクローシス(necrosis)という言葉で一括りにされていましたが、カーらの発見は、この細胞の死に、新たな分類を加えました。しかし、当時はあまり注目されなかったようです。

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