この1文字で「論語と算盤」の精神がわかる! 3分で解説!なぜ、いま「渋沢栄一」なのか?

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渋沢栄一は、論語(道徳)と算盤(経営)の融合を商売繁盛の心得とした(写真:渋沢史料館所蔵)
新・1万円札の顔、日本の資本主義の父の渋沢栄一を描く今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」は、好調なスタートを切った。
大河ドラマを楽しむために、ビジネスの教養のために、渋沢栄一の代名詞でもある『論語と算盤』について、知れば誰かに話したくなる、とっておきの話を、渋沢栄一の玄孫・渋澤健氏に語ってもらった。

100年読み継がれる商売繁盛の指南書

渋沢栄一といえば実に500社ほどの会社の設立に関与したシリアル・アントレプレナーで、「日本の資本主義の父」と言われています。その彼が行った講演を1冊にまとめた本が『論語と算盤』です。100年も前に出版された本が、いまなお多くの経営者、ビジネスパーソンの座右の書として読み継がれています。

『33歳の決断で有名企業500社を育てた渋沢栄一の折れない心をつくる33の教え』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

「論語」は、中国春秋時代の思想家だった孔子と弟子の会話を記したもので、孔子の名言集といってもいいでしょう。人としての物事の考え方や道徳などについて述べているもので、聞けば知っている言葉がいくつもあると思います。たとえば、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」は、「温故知新」という四字成語で広く知られています。

一方、「算盤」は商売のことを指しています。そもそも商売は、他のライバルを出し抜いたり、さまざまな駆け引きが行われたりする、まさに「生き馬の目を抜く」世界ですが、だからといって何をしてもいいというわけではありません。

渋沢栄一は、『論語と算盤』を通じて、「道義を伴った利益を追求しなさい」と言ったのです。それと同時に、「公益を大事にせよ」とも言っています。

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