「大口顧客も門前払い」銀行融資のおかしな現場

顧客本位とはとてもいえない理屈で動く

融資を申し込む前に、金融機関独特のルールを知っておくと、話を進めやすくなる(EKAKI/PIXTA)

筆者は賃貸マンションの大家業という仕事柄、30以上の金融機関に融資の相談をしてきた。過去10年で100億円近くの融資を受けられた(自己資金45万で不動産100億買った男の衝撃技を参照)のは、ニッポンの信用創造機能が正常に稼働している証拠だろう。金融機関は日本経済を支える縁の下の力持ちともいえる。

しかしオーバーバンキングが叫ばれ、銀行間競争が激化する現代においても、顧客本位とはいえない理屈で動く金融機関も少なくない。改善の期待を込め、筆者が融資の現場で遭遇した耳を疑うやりとりを振り返りたい。

会社の決算期が違うだけで受け付けない

数年前の話になるが、不動産投資を始めたばかりの筆者は、とある地銀に決算書を持ち込んだ。面会の機会を与えられ、本店に足を運ぶことになったのだが、そこで待ち受けていたのは、50代以上と思われる複数人の役付きだった。

自己紹介を終えて、具体的な融資の相談が始まるかと思った瞬間、担当の口から出た一言が衝撃だった。

「会社ごとに決算期が違うね。銀行に書類を見てほしければ決算期はそろえて、きちんと補足説明資料を作らないとだめ。また形が整った頃に来たほうがいいんじゃない?」

筆者のように複数法人を経営する場合、すべての法人の会計期間を統一しろという意味合いなのだが、そのようなことをしなくていいように財務の試算表を作っているはずだ。

当時の筆者の会社は黒字を計上しており、現金の蓄えも1億円以上あった。きちんと財務資料を見てもらえば優良顧客になりえたはずだ。にもかかわらず、審査の前に断られた。いわゆる「門前払い」を食らったわけだ。

銀行の審査がしやすいように企業がお膳立てをしなければならないのでは、どちらがビジネスの主役なのかわからない。そう思った記憶がある。おかげで筆者の会社の決算期はそろい、財務資料は見やすくなったが、この銀行はその後、合併という形で姿を消した。

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