「大口顧客も門前払い」銀行融資のおかしな現場 顧客本位とはとてもいえない理屈で動く

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

金融機関とのおかしなやりとりは枚挙にいとまがない。門前払いになるパターンはほかにもいくつもある。

「資料が多くて読むのが大変なので、受け付けられない」

「ほかにも取引している金融機関があるのだから、今回の案件はほかに持っていったほうがいいのではないか」

規模の大きさゆえなのか、大口顧客であっても門前払いにして他行に向かわせようとする感覚は理解に苦しむ。

銀行のプライドを立てなければはじまらないこともある。

「地銀で断られた案件はうちではやらない」と、あるメガバンクの担当者は言う。メガバンクは地銀よりも上位であり、上流の案件しか手がけないという彼らのポリシーを尊重するしかない。

「早めにお願いしたい」と催促してはいけない

ようやく審査をしてもらえることになれば、次の関門が待ち受ける。

「他行の動向はどうですか」

融資の相談を遮って、他行の動向を聞く担当も多い。競合の動向を堂々と聞けるのは銀行の立場が強いからにほかならないが、他行の状況を聞いたところで何が変わるわけではない。目の前にいる客の相談を真摯に聞くべきだろう。

一通りの話を聞いてもらえれば、ようやくスタート地点に立てる。だが、ここで催促してはいけない。

「お急ぎでしたら他行に問い合わせされたほうがいいでしょう。逆にご迷惑になってしまうので……」

それが銀行の決まり文句だ。「早めにお願いしたい」という当たり前の希望を持ち出したとたんに距離感が生じることもある。ここはこらえて銀行のペースで審査を進めてもらうしかない。

さて、ようやく審査をはじめてもらえても、ゼロ回答で終わることもしばしばある。それ自体は仕方のないことだが、お断りにも銀行特有のルールがある。

「上席と2人で訪問して説明したいので時間をとってください」

融資の否決は、上席と2人で訪問して伝える社内規則になっている。申込者からすれば断られることがわかっているのに、多忙のなか時間を作って銀行の儀式に付き合わなければならないのは苦痛でしかない。

次ページ定期預金を作らされる
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事