子育てが不安な親に伝えたい「自分軸」の鍛え方 情報は「3つの区分」で判断するとラクになる

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2) 俯瞰的な視点で見てみる

目先の状態で判断してしまうと表面的な情報に振り回されることがあります。例えば、「子どもがゲームばかりで勉強しない」という状態にあったとき、「ゲームをやめさせて勉強させる」ことに意識が向かい、塾や家庭教師の情報に目がいくかもしれません。

それでうまくいくこともありますが、もう少し俯瞰的な視点で見るとこうなります。「この子の長所や才能は何だろうか? それを伸ばしてあげることが重要ではないだろうか」と。すると、いきなり勉強をさせるという行動を取らずに、子どものよい点、伸びそうな点を見つけ、伸ばそうとします。

その結果、自己肯定感が高まり、「勉強はやらなければならないこと」と自覚している子は、自ら勉強するようになる。そんな事例は枚挙に暇がありません。これが俯瞰的に見てみるということです。こうすると表面的な情報に振り回されることはぐっと少なくなります。

関心、興味のあることだけを試してみる

3)「単なる情報、試してみる情報、振り回される情報」を区別する

世の中に流布している情報を区別していきます。大きく3つに分けていくといいでしょう。1つ目は、「単なる情報」です。例えば、「小学生の教科書にQRコードが入って、グループワークが中心になるらしい」というのは単なる情報です。

『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

2つ目は「試してみる情報」です。前述した、褒めるのがいいのか、褒めないのがいいのかという話でいえば、迷うのであれば、両方を試してみます。試してみた結果、自分に合うやり方を選択すればいいでしょう。

そして3つ目は、直接的に自分たちに関係がないにもかかわらず、「振り回されてしまう情報」です。もし自分が振り回されていてつらいと感じたら、その情報はばっさり捨ててしまいましょう。自分には関係がないこととして。いわゆる情報の断捨離です。自分の価値観に合うもの、興味があることは試してみて、不安を感じることや自分に合わない情報は、思い切って捨ててしまえばいいのです。

以上、簡単にですがアプローチを紹介しました。ここで紹介したこと自体も「情報」です。ですから、ここで紹介したことをすべてやる必要はありません。興味、関心が出たこと、やってみたいと感じたことだけを試してみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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