オンラインインターンシップを実施すると、大きな手応えをつかんだという。「個人ワークとグループワークを通して、個々のパフォーマンスをきちんと見られた。グループワークは、オフラインよりオンラインのほうが、誰が発言しているかがわかりやすい」(池田氏)
2日目と3日目の様子を見学したが、誰がどんな発言をし、積極的に発言しているか、聞いている時の姿勢はどうかなど、見ているだけでよくわかる。今回は「学校の課題を解決するシステム」がテーマだったが、チームによっては本当に実現してもおかしくないレベルのアイデアを導き出していた。「カタログ」があったことで、オンラインでも議論が進めやすかったようだ。最終的に、複数の学生が選考優待権を獲得していた。
「参加者のアンケートでも『正直難しかった』という感想もあったが、『オフラインに遜色ない体験だった』という評価も多かった。本当にオンラインでの見極めができたのかどうかはわからないが、オフラインから何かが失われる、という懸念は当たらなかったと感じている」(池田氏)
コロナ禍でテレワークが進む中、エンジニアの開発現場もオンラインでコミュニケーションを取りながら進めていくケースが増えている。むしろオンラインインターンシップの方が”リアルな就業体験”になっているかもしれない。
アナログな工夫で高い満足度得る
クレジットカード会社のJCBもWHIと同様に、3日間のオンラインインターンシップを9月に行った。
同社も以前から複数日程の夏季1dayワークショップを行っていた。その内容をベースにオンライン版の1dayワークショップを企画して募集したところ、昨年の2倍を超える1万4000人の応募があり、とくに地方からの参加者が増えたという。WHIとは異なり、採用選考とは一切関係ないとうたっているが、かなりの数に達した。この中から140人が3daysインターンシップ参加者として選ばれた。
JCBのオンラインインターンシップの特徴は、ワークショップで課題そのものを見つけ出すことから始める点にある。今年のテーマは、「インド、インドネシア、ベトナムのいずれかで、JCBが新規ビジネスを立ち上げるとしたら」。アイデアを見つけ出すためには、その国々の特徴をつかみ、抱えている問題を見つけ出すことが必要になる。
「ただオンラインだと、直接会うからこそ感じてもらえるJCBの社風や社員の人柄を伝えるのが難しいと考え、昨年とは異なる工夫を取り入れた」と人事部採用・研修グループの横手優太氏は話す。
まず1つ目の工夫は、学生同士のコミュニケーションの機会を増やすために、開催前にチームのメンバーとワークショップのテーマを発表したことだ。
リアルのインターンシップであれば当日に顔合わせしてもコミュニケーションが取れるが、オンラインだと人間関係をつくるのに時間がかかると考え、早めにメンバーを発表することにした。こうすることで学生同士が事前に顔合わせをして親睦を深めたり、テーマについて話し合ったりすることが可能だ。
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