アリ型よりキリギリス型が成功する時代

アリの「ストック思考」からキリギリスの「フロー思考」へ

この連載では、ベストセラー『地頭力を鍛える』の著者が、「問題解決」のための「アリの思考」から「問題発見」のための「キリギリスの思考」へと跳べるようになるための転回の方法を解説している。
発想をジャンプさせるためには、「ストック」から「フロー」へ、「閉じた系」から「開いた系」へ、「2次元(固定次元)」から「3次元(可変次元)」へと、3つの視点において思考回路を転回させるといい。
連載第2回は、1番目の「ストック」から「フロー」への転回について詳述する。 

知識は「貯める」のではなく「使う」

連載第1回で、アリとキリギリスの思考の「3つの視点の違い」について述べた。今回はまずひとつ目の「ストック」と「フロー」の違いについて解説する。

イソップ寓話の「アリとキリギリス」では、冬に備えて夏の間にコツコツと食料をストックしていたアリと、夏の間に使うだけ使ってしまって、冬を迎えたときに何のストックも持っていなかったキリギリスが描写された。つまりアリが「ストック」を重視しているのに対して、キリギリスは「フロー」を重視しているということだ。

この寓話では「アリが善でキリギリスが悪である」という単純な構図だったが、こと問題発見から問題解決という現代のビジネス環境においては、この関係が逆転する場合がある。特に従来の延長ではない破壊的イノベーションを起こすためには、「ゼロベースで」考える必要があるからだ。「白紙で考える」に当たっては、これまで培ったストックとしての資産を、すべて忘れ去ることができるかどうかが重要なポイントとなる。

ここで言うストックには、もちろん一般的な意味での「ヒト、モノ、カネ」、つまり人的資産、物的資産、金融資産も含まれる。あるいはそれ以外にもブランドやノウハウといったものも考えられる。

問題解決のフェーズにはリソースが不可欠である。問題の解決案を策定した後にそれを実行に移して成果につなげるためには当然「ヒト、モノ、カネ」は不可欠だし、それらは一般的に「あればあったほうがよい」ものである。だからアリは常日頃から貯められるものは貯めておこうという発想になる。

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