ここまで、「問題発見型」のキリギリスと「問題解決型」のアリとの思考回路の違いについて、3つの視点から述べてきた。最終回の今回は、イノベーションの阻害要因として、キリギリスとアリとの対立構造のメカニズムについて整理するとともに、キリギリスを跳ばせるためにはどうすればよいかについて解説する。
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アリとキリギリスの対立構造
ここまで述べてきたように、アリとキリギリスは相反する思考回路を持っている。「ストックvs.フロー」「閉じた系vs.開いた系」「固定次元vs.可変次元」という「3つの視点」を中心として、それに付随する項目を比較して整理したのが、下の表である。
ここまで解説してくれば、本連載の初回で紹介した、以下のキリギリス型思考のチェックリストが、「なぜ」キリギリスの特徴を表しているのかを理解してもらえるだろう。
~「キリギリス型思考」のチェックリスト~
1. 個人の主張が強く仲間や先輩とも衝突する
2. 数字に無頓着である
3. 環境に恵まれなければすぐにほかを探す
4. 何にでも首を突っ込むが専門性がない
5. 今の法律や規制には疎い
6. そもそも意味ないと思えば「ちゃぶ台返し」をする
7. 現実味のない理想を語ってばかにされる
8. 「服装や言葉の乱れ」は気にしない
9.学校はまともに行かず、「まともな組織」で働いていないか、働いていても陽の当たらない「傍流」にいる
10. 「いかに楽をするか」を必死で考えている
1. 個人の主張が強く仲間や先輩とも衝突する
2. 数字に無頓着である
3. 環境に恵まれなければすぐにほかを探す
4. 何にでも首を突っ込むが専門性がない
5. 今の法律や規制には疎い
6. そもそも意味ないと思えば「ちゃぶ台返し」をする
7. 現実味のない理想を語ってばかにされる
8. 「服装や言葉の乱れ」は気にしない
9.学校はまともに行かず、「まともな組織」で働いていないか、働いていても陽の当たらない「傍流」にいる
10. 「いかに楽をするか」を必死で考えている
「フロー重視」、つまり「持たざる者の発想」を表現しているのが4、5、9。「閉じた系」、つまり線を引き、組織への内向きでない個人重視の発想を表現しているのが1、8。そして「可変次元」、つまり新しい土俵を探しに行くために上位概念で考えるというのが2、3、6、7、10といったところである。
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