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「閉じた系」と「開いた系」
「閉じた系」と「開いた系」の違いをアリとキリギリスのイメージに関連づけると、「巣を中心に活動するアリ」と「巣を持たないキリギリス」との違いと言える。問題解決で言えば、「枠の中で考える」のが「閉じた系」の思考であり、枠を取っ払って考えるのが「開いた系」の思考ということになる。
「『閉じた系』で考える」ときの思考回路には2つの特徴がある。「観察対象に『線』を引く」ことと、「内と外がある」ということで、思考が内向きに向かっている。一方、「『開いた系』で考える」ときは線を引かず、内と外を区別せず、つねに外に向かって考える。
「閉じた系」と「開いた系」の思考回路の違いを下図に示す。
ここでの「線を引く」の意味を解説しよう。アリが線を引いて考えるのに対して、キリギリスは線を引かずに考える。下の図は、アリとキリギリスの思考の違いのイメージを示している。
2番目の図の下のほうが個々の人間の解釈を含まない具体的な「事実」そのもので、アリとキリギリスではその解釈が異なっている。アリは「事実」に何らかの線引きをして、「内と外」を明確に区別して認識するのに対して、キリギリスは「事実」に線引きをせずに、ありのままのものとしてとらえるのである。アリのものの見方は(0か1の2値的に見るという点で)デジタル的であり、キリギリスのものの見方は(連続的な変化で見るという点で)アナログ的ということもできる。
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