「アリ型」日本人は、変化に対応できない

アリの「閉じた系」からキリギリスの「開いた系」へ

「問題解決型」のアリの思考から「問題発見型」のキリギリスの思考へと発想をジャンプさせるためにはどうしたらいいか。思考回路を転回する際の「3つの視点の違い」のうち、今回は2つめの「閉じた系」と「開いた系」との違いについて解説する。

過去の記事はコチラから。

第1回 アリの思考 vs. キリギリスの思考

第2回 アリ型よりキリギリス型が成功する時代

「閉じた系」と「開いた系」

「閉じた系」と「開いた系」の違いをアリとキリギリスのイメージに関連づけると、「巣を中心に活動するアリ」と「巣を持たないキリギリス」との違いと言える。問題解決で言えば、「枠の中で考える」のが「閉じた系」の思考であり、枠を取っ払って考えるのが「開いた系」の思考ということになる。

「『閉じた系』で考える」ときの思考回路には2つの特徴がある。「観察対象に『線』を引く」ことと、「内と外がある」ということで、思考が内向きに向かっている。一方、「『開いた系』で考える」ときは線を引かず、内と外を区別せず、つねに外に向かって考える。

「閉じた系」と「開いた系」の思考回路の違いを下図に示す。

ここでの「線を引く」の意味を解説しよう。アリが線を引いて考えるのに対して、キリギリスは線を引かずに考える。下の図は、アリとキリギリスの思考の違いのイメージを示している。

2番目の図の下のほうが個々の人間の解釈を含まない具体的な「事実」そのもので、アリとキリギリスではその解釈が異なっている。アリは「事実」に何らかの線引きをして、「内と外」を明確に区別して認識するのに対して、キリギリスは「事実」に線引きをせずに、ありのままのものとしてとらえるのである。アリのものの見方は(0か1の2値的に見るという点で)デジタル的であり、キリギリスのものの見方は(連続的な変化で見るという点で)アナログ的ということもできる。

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