“米国製理系エリート”のキャリアパスとは

「グローバル人材」たちの苦労と葛藤(1)

世界の理系エリートが集まる米国トップスクールMIT(マサチューセッツ工科大学)。そこには、どんな学びがあるのか? 6年半の留学の後、紆余曲折を経て、夢のNASAジェット推進研究所に職を得た著者が、 『宇宙を目指して海を渡る MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』 刊行を記念して大好評連載を一時復活!!
6年半のMIT留学とNASAに職を得るまでの学びを全部詰め込んだ新刊、好評発売中!(Kindle版はこちら

 僕は「グローバル人材」という薄っぺらい言葉が好きではない。

なぜ好きではないかについては、著書に詳しく書いたので、それをここで繰り返すことはしない。その代わりに、世間一般からは「グローバル人材」と思われている人たちの生身の姿を描写することによって、いかにこの軽薄なカタカナ言葉が無意味か、そして本当に意味のあるものとは何なのかを伝えることを試みようと思う。

今回から3回にわたって、僕がMIT時代にボストンで出会った5人の日本人留学生のストーリーを描く。彼ら、彼女らは皆、僕が心から尊敬する友達たちだ。

その経歴や肩書きだけを見れば、成功の階段を一気に駆け上がったエリートにしか映らないかもしれない。だが、「経歴」などという、たった百文字やそこらの事務的な文字の並びから、その人の何がわかろうか。

身近で苦楽をともにしてきた僕は知っている。人からは「エリート」と思われている彼らだって、広いアメリカ社会の片隅で、言葉や文化の壁に苦しみ、何度も失敗を経験し、苦労し、悩み、迷い、それでもそれぞれの目標に向かって真摯に努力を重ね、そしていくばくかの幸運と出会いにも恵まれ、今の場所までたどり着いたことを。そして、「グローバル人材」だなんていう軽薄な言葉では語ることのできない、人間味にあふれた人たちであることを。

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