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キャリア・教育 #宇宙を目指して海を渡る

“米国製理系エリート”のキャリアパスとは 「グローバル人材」たちの苦労と葛藤(1)

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  • 小野 雅裕 NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)技術者
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まじめに頑張っている人が評価される社会になればいい

日頃は明るい橋本さんも、きっと多くの苦労をしたのだろう。当時、彼と酒を飲むと、よく愚痴をこぼしていた。「まじめに頑張っている人が素直に評価される社会になればいいのにな」というようなことを、しみじみと語ることがあった。それは決して弱音を吐いていたのではなく、プレッシャーの多い環境で苦労を重ねる中で、彼の優しい心から素直に出てきた言葉だったのだと思う。

さて、彼が博士課程を始めて4年後、ある日本人のことがボストンで大きな話題となった。ダイスケ・マツザカという有望なピッチャーがボストン・レッドソックスにやってくる、というニュースだった。橋本さんの留学の動機となった、松坂の先を越すという目標が、形はだいぶ変わったものの、期せずして実現したわけだ。「世代が僕に追いついた」のだと、彼は満足気だった。

旅好きの彼は、無事に博士号を取り終え、MITでポスドクをした後、 9カ月の「旅」に出た。ただし、目的は観光ではなく、世界中の大学や研究所を短期の研究員として渡り歩くという、趣味と実益を兼ねた「旅」だった。ブラジル、台湾、日本、そしてサウジアラビアにまで行った。

研究の幅が広がっただけではなく、旅行や外国語が好きだったので、放浪生活を存分に満喫したようだ。 そして最近、シンガポールに新設された大学のAssistant Professor(助教)に着任した。現在は新しい大学のカリキュラムと自分の研究室の立ち上げにいそしんでいるという。

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