アリ型よりキリギリス型が成功する時代

アリの「ストック思考」からキリギリスの「フロー思考」へ

ビジネスで言えば、今、業界内で一定の地位を築いている企業は当然「アリ型の思考」になり、同じ企業の中でも強い製品を持っている事業部のほうが弱小事業部よりもアリの思考が強くなる。ブランドでも同様である。「評判や名声」を得ている組織や人はそれを守ろうという発想になってくる。

今の仕組みでうまくいっている人は、当然、その体制を維持しようと考えるから、いわゆる「エスタブリッシュメント」に属している企業も個人も基本的にはアリ型の思考になる。

逆に何も持っていない人は「何もないところから」発想するからフロー型のキリギリスの思考になる。業界で地位を築いていない会社や地位も名声もおカネもない「ないないづくし」の個人も同様である。

ここからわかるのは、必ずしも「アリ型の思考の人(や組織)」と「キリギリス型の思考の人(や組織)」に分かれるという単純な構図ではなく、たとえばひとりの個人の中でも自分が(良くも悪くも)「素人」である分野においてはキリギリス型の思考ができても、自分が専門家の領域であったり「守るものがある」領域であったりするとどうしても「アリ型思考」になってしまうということがいえる。

したがって、「起業家」がつねに「キリギリスの思考」ができるかといえばそうではないことがわかる。いざ事業が軌道に乗って売り上げも組織も規模が拡大してくれば、当然、「持てる者の発想」に変わってくる。いつの間にかアリ型の守りの発想に入っていくか、あるいはそれに適応できない、あるいはしたくない場合には「シリアルアントレプレナー」となって、また「キリギリスの思考」が活かせる起業のフェーズに戻っていくのである。

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