「全区民に一律12万円」――。全国的に注目を集めた東京都千代田区の独自給付金が区議会で可決された。その財源は主に区の「財政調整基金」を取り崩して充てるとされている。
新型コロナウイルスに関連して「財政調整基金」という言葉を見聞きする機会が増えている。東京都はすでに1兆4000億円を超える新型コロナ対策費を投じているが、そのうち8000億円以上は財政調整基金を取り崩すことで捻出された。
財政調整基金とは何か
財政調整基金とは、年度間の財源の不均衡を調整するための積立金だ。自治体は黒字となった年度に決算剰余金を積み立てておき、景気の悪化や災害などで赤字となった年度に取り崩して財源とする。
いざという事態に備えた「自治体の貯金」といえるが、コロナ禍以前、2018年度末時点の財政調整基金残高は東京都のおよそ8400億円に対して、やはり多くの感染者が発生している大阪府は1500億円、神奈川県は590億円、千葉県は460億円と、自治体によって開きが大きい。
この貯金の差が新型コロナ対策において、休業補償の水準や範囲、支給のタイミング、検査実施件数の違いや検査に対する補助の有無などとなって表面化している。
東洋経済『都市データパック』編集部では、2018年度末時点の全国市町村の標準財政規模に対する財政調整基金の比率を調査。「市」と「町村」に分けて、「貯金の多さ・少なさ」をランキング化した。
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