コロナショックの影響が日本の労働市場に大きな影響を与えている。一時休業を余儀なくされたり、賃金カットだけでなく、景気も後退局面に入っていくことが避けられなくなった。不況期に注目されるのが、安定業種の代表格である公務員だろう。
働いて給料をもらっている人なら、「ほかの職種や職業の人は、いったいどれぐらい給料をもらっているのか?」と気になるはず。今回は、毎年恒例となっている地方自治体に勤務する公務員の平均年収ランキングをお届けする。まずはトップ500自治体だ。
ランキングは、総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」(2019年度版)で開示される一般行政職の給与に基づいている。諸手当を含む平均給与月額の12カ月分に、期末手当と勤勉手当を加えて算出した。地域差が大きい寒冷地手当は含めていない。都道府県と市区町村の職員の平均給与額を1つのランキングにして開示した。職員の平均年齢と前年比増減率も併記した。
浦安市と厚木市が1位に
1位は千葉県浦安市と神奈川県厚木市の765万円。厚木市は2年連続の1位になった。3位は千葉県印西市の757万円だった。いずれも平均年齢は43歳となっている。
公務員の年収は自治体による格差は大きくないものの、上位には財政余力が高く、生活費も高い都市が並ぶ傾向が強い。上位10自治体には東京都・神奈川県・千葉県などの首都圏と県庁所在地の自治体が目立つ。
一方、東京都庁職員で見ると721万円で23位。もちろん高水準だが4年前の同ランキングでは1位、前回は18位だったので、相対的な順位は低下している。
ただし、平均給与が各自治体の平均年齢に大きく左右される点には留意が必要だ。一般的に年功序列型の賃金体系が用いられている地方公務員であれば、年齢が高いほど給与も高くなる。東京や大阪、名古屋などの都市部は物価も総じて高いため、地方都市で上位にランクインしている自治体の公務員のほうが生活にはゆとりがあるケースは少なくなさそうだ。
調査対象の自治体は1788で、全自治体における単純な平均年収は600万円(前年は588万円)だった。国税庁が発表した「平成30年民間給与実態統計調査」によれば、民間事業所に勤める人の平均年間給与は約441万円(前年比約8.5万円増)。公務員の年収は民間平均よりも高い。
なおトップ500自治体だけでは全体的な傾向がわかりづらい面もあるため、ワースト500自治体のランキングも参考にしていただきたい。
【2020年05月01日16時25分追記】初出時、「地方公務員給与実態調査」(2018年度版)と記載していましたが、(2019年度版)の誤りでした。お詫びして訂正いたします。