かつて、これほどまでに全国の自治体の首長が注目されたことは珍しいのではないだろうか。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下での行政対応と、その“出口戦略”をめぐって、日本各地が揺れている。
住民による直接選挙で選ばれる地方自治体の首長には、予算・条例等の議案の提出や議会の解散など、大きな権限が与えられている。一国一城の主である彼ら・彼女らの責任は大きいが、ではその対価としていくら報酬をもらっているのか。
東洋経済では、総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」(2019年度版)に基づき、地方自治体の首長(都道府県知事・市区町村長)の月額給与ランキングを作成。今回は、同調査で首長の給与月額が開示されていた1788自治体の中から、「首長の月給が高い500自治体」を発表する。
総務省が公表する最新データの調査時点は2019年4月1日現在であること、ランキング表で示す月額給与に各種手当は含まれないことに留意されたい。
1位は大阪市長だが調査時は空席
1位は、大阪市長の166万9000円。ただし前述のとおり、本ランキングのデータは2019年4月1日時点のものであり、当時はいわゆる「出直しクロス選挙」に向けて、吉村洋文・前市長(現・大阪府知事)が3月21日に離任した後、かつ、松井一郎・現市長が4月8日に就任する前のタイミングだ。
したがって、調査時点での大阪市長は空席となっており、166万9000円という給料額は制度上の値ということになる。大阪市によると、吉村前市長、松井現市長とも減額措置をとっており、2020年4月1日時点の月額給料は100万1400円となっている。
そうなると、実際に在任していた首長でトップだったのは、ランキング2位の横浜市長(159万9000円)となる。現職市長は林文子氏で、2009年から横浜市長を務め現在3期目だ。
東洋レーヨン(現・東レ)や松下電器産業(現・パナソニック)等での勤務を経て、経営危機に陥っていたダイエーの会長兼CEOに2005年に就任。退任後も日産自動車の執行役員を務めた。
1788自治体の首長の月額給料の平均は80万7223円。上位には都道府県知事や大都市の市区長が並ぶ結果となった。なお、東京都知事は減額措置により月額給料が72万8000円となっており、ランキング外だった。日本全体が未曾有の難局にある中、各自治体の首長には給料に見合うだけのリーダーシップの発揮を期待したいところである。