自分の英語能力をどう評価するのか聞いてみた。「あなたは自分の英語能力をどのレベルだと思いますか?」の設問に対する回答は、「ネイティブ並み」と答えたのが11%、「日常生活レベル」との回答が62%と約7割が英語に困らないレベル、「ほとんどできない」は約2割であった。ちなみに早稲田大学で中国人留学生に対して同じアンケートをしたところ、「日常生活レベル」の回答が7割に増え、「ネイティブ並み」と合わせると約8割が英語に困らないレベルであった。
またこれらのアンケートを年齢別に分析すると、若年者ほど英語を学び始めた年齢が低下しており、英語能力の自己評価も「ネイティブ並み」と答える割合が増加していた。
とくに小学校の英語教育を全国で始めて以降に小学校に入学した世代は、「ネイティブ並み」が2割に達している。小学校の英語教育の普及・定着とともに、中国の若者は明らかに英語に対する苦手意識を克服していた(英語能力の自己評価が高くなっていた)。
英語検定試験においても、IELTSの過去1年の平均点数を聞くと、若年者ほど点数が上がっていた。検定試験の点数が英語能力のすべてではないが、検定試験の成績が小学校の英語教育の定着とともに上向いているのは注目に値する。
オンライン教育への需要が高まっている
さて、中国の子どもへの英語教育で、現在著しく普及しているのがオンライン教育だ。とくにコロナ禍において、中国でも人の動きが制限され休校が相次いだことで、オンライン教育への需要が高まっている。
中国で子ども向けのオンライン英語教育が始まったのは、いまから14年前の2006年。本格化したのは2013年ごろと言われており、いまやIT大手や学習塾も参入し、オンライン英語教育は中国の教育産業でも成長株となっている。
利用者数をみると、2013年は有料・無料会員を合わせて40万人に満たなかったが、2018年には約770万人(うち有料会員は100万人)に達している(中国民間企業調査)。市場シェアは、オンライン教育大手の「VIPKID」が半数以上を占めて独走しており、大手3社で8割を占めている。VIPKIDの有料生徒数は20万人を超えており、中国を含む世界35カ国でサービスを行っているという。
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